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世界平和アピール七人委員会2019年講演会

2019年10月30日

沖縄からこの国を問うー平和、憲法、民主主義ー

2004年から毎年各地で開催してきた講演会を今年は以下の琉球新報の社告(10月22日第1,3面)のとおり那覇市で11月21日に開催します。お近くの方はぜひご参加ください。お知り合いの方へのお知らせもよろしくお願いいたします。

2019 134J 不誠実な外交・内政との決別を―参議院選挙を前にして―

2019年7月1日
アピール WP7 No.134J
2019年7月1日
世界平和アピール七人委員会
武者小路公秀 大石芳野 小沼通二 池内了 池辺晋一郎 髙村薫 島薗進

 6月下旬、アメリカの複数のメディアはドナルド・トランプ大統領が、日米安全保障条約を不平等だとして破棄する可能性について、さまざまな場で再三言及していることを報じ、日米の政府当局者は直ちにこれを否定した。ところが、G20(主要20か国・地域首脳会議)閉会後の記者会見で記者の質問に答えたトランプ大統領本人は、同条約を破棄するつもりはないが、不平等だとあらためて言明したのである。G20に合わせて行われた日米首脳会談で、安倍晋三首相はいったい何を話し合ったのか。日本として誤解を解く努力もせず、真意も問いたださず、国益を踏まえた主張もせずに済ませてよい問題ではない。日本の根幹をゆるがすこの問題について、首相の口から国民に何も語られないのは、どういうことか。
 また安倍首相が米軍基地の実態と沖縄県民の意思をトランプ大統領に伝えた形跡も、一切伝わってこない。米軍駐留経費の受け入れ国負担は、日本が金額でも負担割合でも最大であり、2位以下の他国を大きく引き離している。日米安全保障条約とその第6条に基づく駐留米軍の地位協定は、米国との他の同盟国と比べて、日本にとって著しく不平等になっている。政府は、日本国民が苦しんでいる不平等性の具体的解消に速やかに努めなければならないのに、誤解に基づく対日政策が続くことになる。
 北方領土返還交渉においても同様である。安倍首相は、個人的な「信頼関係」で領土交渉の突破口が開けるかのような幻想を振りまいてきたが、4月23日に閣議決定された外交青書から、国是であった「北方四島は日本に帰属する」の文言が突然説明なく削除された。2016年11月には訪ロした谷内正太郎国家安全保障局長が、ロシア側から返還後に米軍基地を置く可能性を打診されて、可能性があると答えたと報じられた。非武装地帯にできないようでは、返還が実現できないのは明らかである。
 外交軽視・信頼の不在は朝鮮民主主義人民共和国との関係でも見られる。声高に圧力をかけることを主張していた姿勢からいつの間にか転換し、拉致問題を国際社会に訴えるために2008年からヨーロッパ連合(EU)と共同で国連人権理事会に提出してきた対北朝鮮非難決議案からも説明なく降りてしまった。国内外に誠意のある説明を尽くした上であれば方針変更を理解してもらう可能性があるが、それがないのだから迷走でしかない。
 力の強いものに従属することで庇護を得ようとする外交姿勢は、日本の立場を弱めるものである。
 国内に目を向ければ、首相は通常国会での予算委員会開催に消極的であったし、年金問題など国民が関心をもつ諸問題を誠実に国民に説明する姿勢を見せなかった。首相が官邸で官庁幹部と面談する際、記録を何ら作成していないことも明らかになった。自らは強者として力を行使しつつ、そのことに責任を負わないというのでは、民主主義国家の政治家として失格であり、人間としての道義に反する。
 このような政治は国の未来を危うくする。集団自衛権は放棄し、専守防衛に徹してそれを超える装備を持つことなく、すべての国との自主的な友好関係を積み上げる外交・内政を目指していくことこそが、日本の安全を高めるものである。
 来る参議院選挙において、安心して住める安全な日本を創るために、有権者一人一人が熟慮して投票されることを期待する。

PDFアピール文→ 134j.pdf

2019 133J 日米地位協定の根本的改定を沖縄県とともに求める

2019年4月26日

2019 133J 日米地位協定の根本的改定を沖縄県とともに求める

アピール WP7 No.133J
2019年4月26日
世界平和アピール七人委員会
武者小路公秀 大石芳野 小沼通二 池内了 池辺晋一郎 髙村薫 島薗進

 沖縄県は、沖縄県議会における指摘と全国知事会に2016年に設置された「米軍基地負担に関する研究会」の議論を踏まえ、日米地位協定*とヨーロッパの4か国(ドイツ・イタリア・ベルギー・英国)に駐留する米軍の地位協定の現地調査と比較検討を、2年にわたって行い、報告書**を4月12日に公表した。
 日本に駐留する米軍の規模は2018年3月31日現在世界最大であり、日米地位協定の問題点と不平等性は、これまでも問題が起こるたびに指摘されてきたが、発効以来一度も改定されたことはなかった。今回の調査結果によって、沖縄の基地、首都圏の横田と沖縄の空域などをはじめとする『在日米軍施設・区域』についての日本の立場が、ヨーロッパ諸国に比べて著しく弱いことが具体的に明らかになった。
 『在日米軍施設・区域』は、2018年1月1日現在30都道府県に置かれている以上、本来は国が行うべき調査であった。にもかかわらず、沖縄県の発表について、河野太郎外相が直ちにまったく意味がないと批判したように、日本政府は日米地位協定の改定に否定的な姿勢を変えていない。
 日本国憲法との関係で問題があるにも関わらず、1990年代初めのいわゆる湾岸戦争直後の掃海作業以来、自衛隊の海外派遣が繰り返され、海外派遣は「付随的任務」から「本来的任務」と変わった。派遣される自衛隊の地位についての取り決めも作成されている。さらに自衛隊員の米国派遣も増加している。今や受け入れ国と派遣国の立場にある日本は、日米地位協定の不平等性を抜本的に見直し解消に向けて努力すべき段階になっている。現状をこれ以上放置することは許されない。
 私たちは沖縄県の地道で綿密な努力に共感するとともに、これを高く評価し、国際的にみても著しく不平等な日米地位協定の根本的改定を求める。他の都道府県と各団体、及び国民一人一人もそれぞれの立場から発言し、政府に米国政府との交渉を求め、改定を速やかに実現させるべきだと考える。

* 日米地位協定の正式名称:日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(1960年6月23日発効)
** 『他国地位協定調査報告書(欧州編)』平成31年4月、沖縄県
https://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/kichitai/sofa/documents/190411-1.pdf
『他国地位協定調査について(欧州編報告書概要)』沖縄県
https://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/kichitai/sofa/documents/190411-2.pdf
なお 沖縄県の地位協定ポータルサイト
https://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/kichitai/sofa/index.html
に詳細な記述がある。

PDFアピール文→ 133j.pdf

2019 132J 朝鮮半島・アジア・全世界の平和と安定を求め、第2回米朝会談に期待する

2019年2月26日
アピール WP7 No.132J
2019年2月26日
世界平和アピール七人委員会
武者小路公秀 大石芳野 小沼通二 池内了 池辺晋一郎 髙村薫 島薗進

 米国のトランプ大統領と、朝鮮民主主義人民共和国の金正恩委員長の第2回会談が2月27、28両日に開かれる。私たち世界平和アピール七人委員会は、第1回米朝会談に対しても期待を表明した。改めていま米朝両国が、朝鮮半島の非核化・安定化、日本を含むアジア、さらに全世界の平和と安定に向けて、着実な歩みを進めていくことを期待する。

 会談の成功のためには、双方が支障になる行動を慎まなければならない。私たちの懸念は、2月2日の米国のINF(中距離核戦力)全廃条約離脱通告と、それに対するロシアの義務履行停止である。私たちは、1988年6月の発効以来、世界の緊張緩和と冷戦終結の実現に貢献したこの条約が、中距離及び準中距離核ミサイルと重なる役割を持つ「潜水艦発射弾道ミサイルまたは巡航ミサイルを装備した潜水艦」の規制を含む核軍縮につながることを期待してきた。 米国は新たなミサイルの研究・開発に着手すると明言し、ロシアのプーチン大統領も対抗手段の研究・開発を進めることを承認したが、これは世界最大の核兵器国である両国が、「誠実に核軍縮交渉を行う義務」を負っている核兵器不拡散条約にも違反するものであり、他国の軍拡を誘発する危険性が大きい。私たちは両国の再考を求める。

 再考が米朝関係の改善に貢献することは間違いない。一方、米朝会談の成功は世界の緊張緩和にプラスになる。私たち世界平和アピール七人委員会は、米国と北朝鮮が、朝鮮半島の非核化に向かう更なる一歩を進め、他の核兵器国とともに核兵器のない世界にむけて行動を起こすよう改めて要望する。

PDFアピール文→ 132j.pdf

2018 131J 沖縄県民の意思を無視し、対話を拒否する政府を許容してはいけない

2018年12月17日
アピール WP7 No.131J
2018年12月17日
世界平和アピール七人委員会
武者小路公秀 大石芳野 小沼通二 池内了 池辺晋一郎 髙村薫 島薗進

 政府は、沖縄県民の意思を無視して、玉城デニー知事の度重なる対話要請に真摯に向き合わず、対話を拒否し、辺野古の恒久基地化をめざし、埋め立て計画区域への土砂投入強行を始めました。
 安倍政権の度重なる暴力的行動は、日本国憲法に書かれている「国政は、国民の厳粛な信託による」とする人類普遍の原理に違反し、平和のうちに生存する権利を否定するものです。政治には倫理とヒューマニティが必要です。
 世界平和アピール七人委員会は、19世紀に琉球王国を滅亡させ、20世紀に沖縄戦において県民に多大な犠牲を強いたことに続く、21世紀の琉球処分を認めるわけにいきません。私たちは 沖縄県民の側に立ちます。
 国民一人一人が他人事と思うことなく、現状を直視し、発言されることを求めます。

PDFアピール文→ 131j.pdf