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2020 138J 米国によるイラン革命防衛隊司令官殺害を非難し、すべての関係者がこの危機を悪化させないよう求める

2020年1月6日

このアピールには英文版があります。
英文アピールはこちら

アピール WP7 No.138J
2020年1月6日
世界平和アピール七人委員会
武者小路公秀 大石芳野 小沼通二 池内了 池辺晋一郎 髙村薫 島薗進

米国政府は、イラクでイラン革命防衛隊の司令官を1月3日にドローンで殺害したと発表した。これに対してイランは報復を予告している。イラク首相は主権侵害だとしている。
「米国」と「イラン」の立場を置き換えたとき、米国政府と米国民は自国軍の司令官の殺害という事態を受け入れられるだろうか。

私たち世界平和アピール七人委員会は、米国によるこの殺害を非難し、この危険な事態をさらに悪化させないよう関係するすべての国に求める。
国連安全保障理事会のメンバー諸国は 直ちに自国の立場を明示すべきであり、国連は速やかに総会を開いて対話による解決のためのあらゆる努力を行っていただきたい。
米国とイラン双方と友好関係にあると自任する日本政府は、直ちに米国に完全な自制を促すべきである。

日本政府は、米国が2019年6月に提案した有志連合には参加せず、海上自衛隊の護衛艦と哨戒機を、通行する船舶の護衛を含まない「調査・研究」のために中東に派遣すると、国会にも国民にも説明しないまま2019年12月27日に決定した。
しかし得られる情報を有志連合と共有するため、バーレーンにある米中央海軍司令部に連絡員を派遣することが明らかになり、事態が変われば派遣目的を変更するとされている。これでは米国に与するものとみなされてもしかたがない。我々が12月12日に発表したアピール『自衛隊の海外派遣を常態化してはいけない』の内容をあらためて強く求める。日本国憲法によって法的に制限された軍事組織である自衛隊を危険地域の周辺に派遣させるべきでない。日本は非軍事的手段による平和構築に積極的に取り組むべきである。

PDFアピール文→ 138j.pdf

アピール「米国によるイラン革命防衛隊司令官殺害を非難し、すべての関係者がこの危機を悪化させないよう求める」を発表

2020年1月6日

「米国によるイラン革命防衛隊司令官殺害を非難し、すべての関係者がこの危機を悪化させないよう求める」と題するアピールを発表しました。

米国によるイラン革命防衛隊司令官殺害を非難し、すべての関係者がこの危機を悪化させないよう求める

2019 136J 自衛隊の海外派遣を常態化してはいけない

2019年12月12日

このアピールには英文版があります。
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アピール WP7 No.136J
2019年12月12日
世界平和アピール七人委員会
武者小路公秀 大石芳野 小沼通二 池内了 池辺晋一郎 髙村薫 島薗進

年内に自衛隊艦船や哨戒機の中東派遣を閣議決定すると報じられている。この派遣計画は2019年10月18日の安倍晋三首相の検討指示によって明らかになった。7月に米国から呼び掛けられたイラン包囲の有志連合「海洋安全保障イニシアチブ構想」には参加しないが、首相の判断や国会の承認を必要とせず防衛大臣のみの判断で派遣できる「調査・研究」との名目での中東派遣である。米国とイランの緊張が高まっているホルムズ海峡までは行かないので危険はないと説明され、菅義偉官房長官は船舶防護が必要な状況ではないと言う。友好国イランに配慮すると言い訳しつつ、他方では中東問題での日米協力を確認している。
現在の対立は、5月末に米国がイラン産の原油の全面禁輸を開始したことによって引き起こされたものである。6月には日本のタンカーが、9月にはサウジアラビアの石油施設が正体不明の相手から攻撃されるなど、中東の緊張は高まってはいる。11月には7か国のみの参加による米国主導の有志連合も活動を開始した。
しかし、いまなぜ自衛隊艦船や哨戒機を「調査・研究」のために派遣しなければならないかの国民への説明は一切なされず、与党の了解だけで閣議決定を行うというのである。事態が変化すれば派遣区域も派遣目的も変更し、武器使用の制限を緩めて対処するというのだから、けじめなく既成事実が拡大されていくことになる。

このようなあいまいな自衛隊の海外派遣は、軍隊を持たず最小限の自衛に限るべき日本の行うべき活動ではない。中東のあるべき姿に向けて国際的緊張を緩和させ、危険性を除去し、安定した平和を構築するための外交面での積極的貢献と人道的支援について世界の最先端に立って活動すべきである。

PDFアピール文→ 136j.pdf

2019 135J ローマ教皇の長崎・広島でのメッセージに賛同する

2019年11月30日
アピール WP7 No.135J
2019年11月28日
世界平和アピール七人委員会
武者小路公秀 大石芳野 小沼通二 池内了 池辺晋一郎 髙村薫 島薗進

2019年11月24日、フランシスコ教皇は長崎爆心地公園と広島平和公園で二つのスピーチを行った。そこで教皇は、1945年8月に広島・長崎に投下された原爆により尊い生命を失った人々、その後も苦しみと悲しみのなかで生きてこられた方々の苦難を思い起こしながら、その悲劇を忘れてはならない、繰り返してはならないと述べている。
教皇は「原子力の戦争目的の使用は、倫理に反します。二年前に私が言ったように、核兵器の所有も倫理に反します」「核兵器は、今日の国際的また国家の、安全保障への脅威からわたしたちを守ってくれるものではない、そう心に刻んでください。人道的および環境の観点から、核兵器の使用がもたらす壊滅的な破壊を考えなくてはなりません」、さらに 核兵器や大量破壊兵器の所有について「それは、恐怖と相互不信を土台とした偽りの確かさの上に平和と安全を築き、確かなものにしようという解決策です。人と人との関係をむしばみ、相互の対話を阻んでしまうものです」と明言している。

現代世界の代表的な宗教指導者のこれらの言葉は、すべての人々の良心に訴えたものであり、とくに原爆投下による悲惨な結果を忘れることない日本の多くの人々の心に響くものである。同時に、それは日本国憲法第九条の精神に合致したものである。
フランシスコ教皇の二つのメッセージは、2017年に国連で採択された核兵器禁止条約の趣旨にも合致したものである。そして日本を含め、この条約を受け入れようとしない国々の政治指導者が頼る「核抑止力」という偽りの理論を問い直してもいる。核兵器をめぐる日本の政府与党の現在の姿勢が厳しく問われていることも明らかである。
私たち世界平和アピール七人委員会は、この力強いメッセージに深く共鳴し、その趣旨に賛同し、それが広く共有されることを願う。とくに、現代世界の宗教や学術や文化活動に携わる人々からも、こうした声がさらに高まっていくことを強く期待したい。

PDFアピール文→ 135j.pdf

世界平和アピール七人委員会2019年講演会

2019年10月30日

沖縄からこの国を問うー平和、憲法、民主主義ー

2004年から毎年各地で開催してきた講演会を今年は以下の琉球新報の社告(10月22日第1,3面)のとおり那覇市で11月21日に開催します。お近くの方はぜひご参加ください。お知り合いの方へのお知らせもよろしくお願いいたします。

2019 134J 不誠実な外交・内政との決別を―参議院選挙を前にして―

2019年7月1日
アピール WP7 No.134J
2019年7月1日
世界平和アピール七人委員会
武者小路公秀 大石芳野 小沼通二 池内了 池辺晋一郎 髙村薫 島薗進

 6月下旬、アメリカの複数のメディアはドナルド・トランプ大統領が、日米安全保障条約を不平等だとして破棄する可能性について、さまざまな場で再三言及していることを報じ、日米の政府当局者は直ちにこれを否定した。ところが、G20(主要20か国・地域首脳会議)閉会後の記者会見で記者の質問に答えたトランプ大統領本人は、同条約を破棄するつもりはないが、不平等だとあらためて言明したのである。G20に合わせて行われた日米首脳会談で、安倍晋三首相はいったい何を話し合ったのか。日本として誤解を解く努力もせず、真意も問いたださず、国益を踏まえた主張もせずに済ませてよい問題ではない。日本の根幹をゆるがすこの問題について、首相の口から国民に何も語られないのは、どういうことか。
 また安倍首相が米軍基地の実態と沖縄県民の意思をトランプ大統領に伝えた形跡も、一切伝わってこない。米軍駐留経費の受け入れ国負担は、日本が金額でも負担割合でも最大であり、2位以下の他国を大きく引き離している。日米安全保障条約とその第6条に基づく駐留米軍の地位協定は、米国との他の同盟国と比べて、日本にとって著しく不平等になっている。政府は、日本国民が苦しんでいる不平等性の具体的解消に速やかに努めなければならないのに、誤解に基づく対日政策が続くことになる。
 北方領土返還交渉においても同様である。安倍首相は、個人的な「信頼関係」で領土交渉の突破口が開けるかのような幻想を振りまいてきたが、4月23日に閣議決定された外交青書から、国是であった「北方四島は日本に帰属する」の文言が突然説明なく削除された。2016年11月には訪ロした谷内正太郎国家安全保障局長が、ロシア側から返還後に米軍基地を置く可能性を打診されて、可能性があると答えたと報じられた。非武装地帯にできないようでは、返還が実現できないのは明らかである。
 外交軽視・信頼の不在は朝鮮民主主義人民共和国との関係でも見られる。声高に圧力をかけることを主張していた姿勢からいつの間にか転換し、拉致問題を国際社会に訴えるために2008年からヨーロッパ連合(EU)と共同で国連人権理事会に提出してきた対北朝鮮非難決議案からも説明なく降りてしまった。国内外に誠意のある説明を尽くした上であれば方針変更を理解してもらう可能性があるが、それがないのだから迷走でしかない。
 力の強いものに従属することで庇護を得ようとする外交姿勢は、日本の立場を弱めるものである。
 国内に目を向ければ、首相は通常国会での予算委員会開催に消極的であったし、年金問題など国民が関心をもつ諸問題を誠実に国民に説明する姿勢を見せなかった。首相が官邸で官庁幹部と面談する際、記録を何ら作成していないことも明らかになった。自らは強者として力を行使しつつ、そのことに責任を負わないというのでは、民主主義国家の政治家として失格であり、人間としての道義に反する。
 このような政治は国の未来を危うくする。集団自衛権は放棄し、専守防衛に徹してそれを超える装備を持つことなく、すべての国との自主的な友好関係を積み上げる外交・内政を目指していくことこそが、日本の安全を高めるものである。
 来る参議院選挙において、安心して住める安全な日本を創るために、有権者一人一人が熟慮して投票されることを期待する。

PDFアピール文→ 134j.pdf