作成者別アーカイブ: wp7

2019 133J 日米地位協定の根本的改定を沖縄県とともに求める

2019年4月26日

2019 133J 日米地位協定の根本的改定を沖縄県とともに求める

アピール WP7 No.133J
2019年4月26日
世界平和アピール七人委員会
武者小路公秀 大石芳野 小沼通二 池内了 池辺晋一郎 髙村薫 島薗進

 沖縄県は、沖縄県議会における指摘と全国知事会に2016年に設置された「米軍基地負担に関する研究会」の議論を踏まえ、日米地位協定*とヨーロッパの4か国(ドイツ・イタリア・ベルギー・英国)に駐留する米軍の地位協定の現地調査と比較検討を、2年にわたって行い、報告書**を4月12日に公表した。
 日本に駐留する米軍の規模は2018年3月31日現在世界最大であり、日米地位協定の問題点と不平等性は、これまでも問題が起こるたびに指摘されてきたが、発効以来一度も改定されたことはなかった。今回の調査結果によって、沖縄の基地、首都圏の横田と沖縄の空域などをはじめとする『在日米軍施設・区域』についての日本の立場が、ヨーロッパ諸国に比べて著しく弱いことが具体的に明らかになった。
 『在日米軍施設・区域』は、2018年1月1日現在30都道府県に置かれている以上、本来は国が行うべき調査であった。にもかかわらず、沖縄県の発表について、河野太郎外相が直ちにまったく意味がないと批判したように、日本政府は日米地位協定の改定に否定的な姿勢を変えていない。
 日本国憲法との関係で問題があるにも関わらず、1990年代初めのいわゆる湾岸戦争直後の掃海作業以来、自衛隊の海外派遣が繰り返され、海外派遣は「付随的任務」から「本来的任務」と変わった。派遣される自衛隊の地位についての取り決めも作成されている。さらに自衛隊員の米国派遣も増加している。今や受け入れ国と派遣国の立場にある日本は、日米地位協定の不平等性を抜本的に見直し解消に向けて努力すべき段階になっている。現状をこれ以上放置することは許されない。
 私たちは沖縄県の地道で綿密な努力に共感するとともに、これを高く評価し、国際的にみても著しく不平等な日米地位協定の根本的改定を求める。他の都道府県と各団体、及び国民一人一人もそれぞれの立場から発言し、政府に米国政府との交渉を求め、改定を速やかに実現させるべきだと考える。

* 日米地位協定の正式名称:日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(1960年6月23日発効)
** 『他国地位協定調査報告書(欧州編)』平成31年4月、沖縄県
https://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/kichitai/sofa/documents/190411-1.pdf
『他国地位協定調査について(欧州編報告書概要)』沖縄県
https://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/kichitai/sofa/documents/190411-2.pdf
なお 沖縄県の地位協定ポータルサイト
https://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/kichitai/sofa/index.html
に詳細な記述がある。

PDFアピール文→ 133j.pdf

2019 132J 朝鮮半島・アジア・全世界の平和と安定を求め、第2回米朝会談に期待する

2019年2月26日
アピール WP7 No.132J
2019年2月26日
世界平和アピール七人委員会
武者小路公秀 大石芳野 小沼通二 池内了 池辺晋一郎 髙村薫 島薗進

 米国のトランプ大統領と、朝鮮民主主義人民共和国の金正恩委員長の第2回会談が2月27、28両日に開かれる。私たち世界平和アピール七人委員会は、第1回米朝会談に対しても期待を表明した。改めていま米朝両国が、朝鮮半島の非核化・安定化、日本を含むアジア、さらに全世界の平和と安定に向けて、着実な歩みを進めていくことを期待する。

 会談の成功のためには、双方が支障になる行動を慎まなければならない。私たちの懸念は、2月2日の米国のINF(中距離核戦力)全廃条約離脱通告と、それに対するロシアの義務履行停止である。私たちは、1988年6月の発効以来、世界の緊張緩和と冷戦終結の実現に貢献したこの条約が、中距離及び準中距離核ミサイルと重なる役割を持つ「潜水艦発射弾道ミサイルまたは巡航ミサイルを装備した潜水艦」の規制を含む核軍縮につながることを期待してきた。 米国は新たなミサイルの研究・開発に着手すると明言し、ロシアのプーチン大統領も対抗手段の研究・開発を進めることを承認したが、これは世界最大の核兵器国である両国が、「誠実に核軍縮交渉を行う義務」を負っている核兵器不拡散条約にも違反するものであり、他国の軍拡を誘発する危険性が大きい。私たちは両国の再考を求める。

 再考が米朝関係の改善に貢献することは間違いない。一方、米朝会談の成功は世界の緊張緩和にプラスになる。私たち世界平和アピール七人委員会は、米国と北朝鮮が、朝鮮半島の非核化に向かう更なる一歩を進め、他の核兵器国とともに核兵器のない世界にむけて行動を起こすよう改めて要望する。

PDFアピール文→ 132j.pdf

2018 131J 沖縄県民の意思を無視し、対話を拒否する政府を許容してはいけない

2018年12月17日
アピール WP7 No.131J
2018年12月17日
世界平和アピール七人委員会
武者小路公秀 大石芳野 小沼通二 池内了 池辺晋一郎 髙村薫 島薗進

 政府は、沖縄県民の意思を無視して、玉城デニー知事の度重なる対話要請に真摯に向き合わず、対話を拒否し、辺野古の恒久基地化をめざし、埋め立て計画区域への土砂投入強行を始めました。
 安倍政権の度重なる暴力的行動は、日本国憲法に書かれている「国政は、国民の厳粛な信託による」とする人類普遍の原理に違反し、平和のうちに生存する権利を否定するものです。政治には倫理とヒューマニティが必要です。
 世界平和アピール七人委員会は、19世紀に琉球王国を滅亡させ、20世紀に沖縄戦において県民に多大な犠牲を強いたことに続く、21世紀の琉球処分を認めるわけにいきません。私たちは 沖縄県民の側に立ちます。
 国民一人一人が他人事と思うことなく、現状を直視し、発言されることを求めます。

PDFアピール文→ 131j.pdf

世界平和アピール七人委員会2018年高知講演会

2018年9月25日

憲法公布72周年県民のつどい
改憲をさせないために何ができるか

日時:2018年11月17日(土)午後1時半〜4時半(1時開場)
場所:高知県民文化ホール(グリーン)→ http://kkb-hall.jp

前売り:一般1000円(当日1200円)、学生500円、高校生以下無料


託児所あります(要予約)
託児が必要な場合は、11月15日までに高知県教組(中根)TEL088-82204135まで申し込んでください。

前売券の購入方法
高新プレイガイドのほか、お近くの九条の会からお求め下さい。
また、下記のところに電話連絡して予約することも可能です。

高知県教組(中根)TEL088-82204135
女性「九条の会」高知TEL088-82204135

>20181117

今月のことばNo.42

2018年7月12日

電気を栽培

大石芳野

 青々とした田畑、小高い山々とその先の阿武隈山脈、白くたなびく雲。福島の農村地はこうした光景が多い。海からの風を感じながら浜通りを横川ダムのある西の方へあがる。原発事故から7年が過ぎたこの夏の始め、酪農家の瀧澤昇司さんを訪ねた。
 「牧草刈りに追われて」と日焼けした肌の汗をぬぐいながら満面の笑みを見せた。「私の畑では作物も作るけれど、電気も作っているんだ」。エッ?…畑で電気を作る?…口ごもりながら私は滝澤さんのキラキラした眼に吸い込まれるように次の言葉を待った。すると、彼は「だって、放射能は何百年、何千年と残るからそれと闘わなければならないと、あなたは言ったじゃない。あれで私は考え込んだんだ」と続けた。
 それは2012年に福島県南相馬市の原町で行った七人委員会の講演会だった。放射能がいかに人類と共存できないかについて私も率直に語った。その時、彼は涙ぐんでいた。その涙が前向きに立ち上がらせた。「あれから真剣に電力を作ることに舵を切った」と彼は俄かに深いかげりを露にした。
 思い返せば、瀧澤さんの牛舎を初めて訪ねたのは2011年、原発事故から1か月半が過ぎたころだった。痩せこけた30頭くらいの乳牛を前に「50頭くらいいたんだけれどね」と寂しそうに呟いた。牛乳の集荷は禁止されたものの、生きた牛の搾乳も餌も毎日どうしても欠かすことができない。絞っては畑に捨てる歳月が流れる。強い日差しのもと「オレは何やってんだと情けなくなるよ」と顔を手で覆った。
 その後、集荷は許可されて彼の表情も和らいでいったが「このままでいいのか」という疑問は続く。そして「オレはセシウムと闘っているから何でも試すよ」と言っていたその時期に、七人委員会の講演会に行き会ったのだった。
 「発電は電力会社を頼らないで得たい」と人生を賭けたように話して以来、牛舎の屋根から始まったソーラーパネルは訪れる度にぐんぐんと増えていった。今では営農型太陽光発電の設備は11か所、88アール、出力は550kwにまで拡大して収入を得られるようになった。畑には高さ3.5mの柱にソーラーパネルがずらりと並び、さらに拡張しつつある。雨や朝夕の効率が悪い分はパネルの枚数でカバーする。牧草を刈るためのトラクターも入る。
 「放射能を帯びて使えなくなった田畑を放置するんじゃなくて、作物と一緒に電気も生産すれば、作物だけよりは儲かる。柱が短いパネルの下だと、日陰を好むネギとか榊がいいね。これは福島だけでなく、田舎の若い人たちの将来にも通じると思うよ」。
 福島の人たちには東北電力の電気が供給されている。瀧澤さんにとっての原点は、使ってもいない東京電力福島第一原発の甚大な事故に対する怒りにある。原発立地から離れているにもかかわらず放射能に汚染された田畑を消極的に受け入れるのではなく、そこから汚染と無関係な電気を生み出すという発想と積極性はすばらしい。息子たち次世代のためにも、瀧澤さんは畑で「電気を栽培」すると決めて努力を重ねる。有言実行だ。広がる緑の大地、刈り取った牧草の白いロール、そしてソーラーパネル。その光景を私は頼もしくも眩しくも感じながらしばし緑の大地に佇んでいた。