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1958 国連と国連加盟二十力国首脳へのアピール

1958年1月15日

 悪化しつつある世界情勢にかんがみ、私たちはつぎのような諸勧告に基づいて、全世界の平和と秩序を維持する必要な手段を国際連合がとるよう、ここに提案します。

 一、国際連合は、アメリカ合衆国とソビエト・ロシア間の首脳会談を取り決め、核兵器の実験と使用を禁止し、そのうえに全面的軍縮を図らせるため、積極的役割を演ずべきである。

 二、国際連合は、ともに世界の調和を乱すおそれのある北大西洋条約機構、東南アジア条約機構とソビエト・ブロックの相互協力機構などであるワルシャワ条約機構を、国連機構内に統合するよう努力すべきである。

 三、国際連合は、極地その他の地域、いかなる国にも属していないような空間を、人類共同の資産であるという原則を打ち樹てるべきである。これを管理するために、国際連合は、その機構内に適当な組織をつくるべきである。

 四、国際連合は、その加盟国の政府代表だけでなく、正当に選挙された人民の代表が、国連総会内に座を占めることを許すべきである。国際連合は、さらに国連総会を真の世界議会たらしめ、最終的には国連を改組して世界連邦とするよう努力すべきである。

1958年1月15日

世界平和アピール七人委員会

1957 パダウォッシュ会議(カナダ東海岸パダウォッシュにおいて開催。核爆発実験による人工放射能被害に関する世界科学者会議)に出席する湯川委員に同会議に対して原水爆禁止を呼びかけるアピールを託す(要旨)

1957年7月4日

 われら世界平和アピール七人委員会は、これまで繰り返し核爆発実験の中止について米英ソ三国に要請し、その国際協定成立の措置を講ずるよう国際連合にも勧告してきたが、これは平和な生活を営みつつある世界の民衆に予測しえない惨害をもたらす可能性をはらんでいるからであり、さらにはこのような核兵器による国際間の勢力均衡ということが、一歩誤れば全人類を破滅に陥れる危険をもっていると確信するからである。

 このとき核爆発実験による危害に対する世界科学者会議がカナダで開催され、世界各国からの権威ある学者たちが、それぞれ科学的調査資料を持ちよって一堂に会し、それを基礎として人道と良識の立場から自由に討議し、人類の真剣な反省に資することは意義大なるものがある。

 こうして世界の科学者が崇高な目的のために団結し、人類の平和と幸福のために奉仕しようとの尊い使命に進む決意と実践を示されたことに心からの祝意と感謝をささげ、将来への力づよい発展を期待して会議の成功を祈る。

(1957年7月4日付毎日新聞)

1957 水爆実験禁止協定成立のため、速やかな措置をとるよう国連に勧告(要旨)

1957年3月15日

 われら世界平和アピール七人委員会はこれまで英、米、ソ三国に対して水爆実験中止の要請をしてきた。それは、水爆実験は平和な生活を営む世界の民衆に予測できない惨害をもたらす可能性をはらんでいるからであり、またこのような核兵器による国際間の勢力均衡が、一歩誤まれば全人類を破滅に陥れる危険をもっていると確信するからである。われらはこの際、国連が世界の世論と権威ある科学者たちの警告にかんがみ、いずれの国による水爆実験にせよ、それを禁止する協定を成立させるよう急速な措置を講ぜられることを勧告する。

(1957年3月15日付毎日新聞)

1957 マクミラン英首相に対し水爆実験計画の中止を要望するアピール(要旨)

1957年2月24日

 われら世界平和アピール七人委員会は貴国政府が日本の悲惨な原水爆経験に思いをいたされるよう望みます。

 一九五四年太平洋ビキニ島における米国の水爆実験は一日本人漁夫を死にいたらしめ、多くの病者を出し、各地に被害をもたらしました。また南洋群島の住民は多くの死者や病者を出したことについて米国に抗議しました。さらにその放射能の悪影響が遠くインドから本国にまで及んだことが記録されています。水爆実験の被害は時間的にも空間的にも限定されません。広島、長崎に投下された原爆が今日にいたるまでの十二年間、毎年原爆症による死亡者を出しています。水爆実験が一国及び特定地域のみに被害を及ぼすものでなく、地球上全人類の生存に予測し得ない被害を及ぼすことは世界の権威ある学者のひとしく警告するところです。

 英政府が来月予定の太平洋クリスマス島の水爆実験を施行されるならば、それはこれらの厳粛な事実と穐威ある学者の衛告を無脱し、↑阻Wの阻論を昭みにドるものであり,英国の伝統的精神にも背くものであり、非人道的な野蛮行為といわざるを得ません。われらは全人類のためにおそるべき危険な水爆実験をやめられるよう切望します。

(1957年2月24日付毎日新聞)

1956 スエズ・ハンガリー問題に対し三つのアピール(要旨)

1956年11月22日

一、英・仏のエジプトに対する武力発動に抗議し撒兵を訴える。

◇イーデン英首相、モレ仏首相に対する勧告
 貴国がわれわれの勧告を無視してエジプト領内に武力発動した行為は遺憾です。この際、貴下の良識ある決意をもって世界平和秩序に寄与されんため速やかに撒兵の実をあげるよう切望します。

二、ソ連のハンガリーに対する武力行使に抗議し撒兵を訴える。

◇ブルガーニン首相に対する勧告
 われわれの勧告を無視し、国連の議をまたずしてあえて武力手段に訴えた英・仏の態度も遺憾ですが、貴国のハンガリーへの行動は人道と平和の原則に照らして決して許容さるべきことではないと思います。この際貴下の良識ある決意をもって速やかにハンガリーより撒兵を宣言し、国連総会の決議にしたがうの原則を堅持されんことを切望します。

三、国連の紛争解決機能の欠陥を指摘し、平和的解決を訴える。

◇ワンワイタヤコーン国連総会議長とハマーショルド事務総長に対する勧告
 今回の紛争を事前に避けられなかったのは国連組織の機能の上に欠陥があり、今後あくまで平和的解決の原則をつらぬいて欲しい。

(1956年11月22日付毎日新聞)

1956 米大統領に対し水爆実験中止を訴えるアピール

1956年4月3日

 水爆実験によって放出される放射能は、人々の健康に不測の被害を及ぼし、人類の生命に危険であるばかりでなく、その遺伝的悪影響について今日世界のいかなる権威者といえども未だはっきりした結果をいうことができない現状において、水爆実験はいかなる国によってもまたいかなる地域においても、絶対に行われてはならないものと思惟いたします。もしも貴国政府が、今日の人類の不安と世界の世論を無視し、太平洋水域におけるこの四月の水爆実験を強行されるならば、それはまさに神を無視し、敢て全人類に挑戦する行為といわれてもしかたありますまい。

 わたくしたちは、最近の貴国政府の日本政府に対する回答に大いなる不安を感じているものであり、幸いに貴下の聡明なるご裁断によって水爆実験を中止し、さらに進んで原水爆の使用実験を禁止する国際協定の締結に尽力されるよう、貴下の崇高なる人類愛に信頼してあえてここに勧告いたします。

1956年4月3日

世界平和アピール七人委員会

アイゼンハワー米大統領殿

1955 1J 国連第十回総会にむけてのアピール

1955年11月11日
アピール WP7 No.1J
世界平和アピール七人委員会

 1946年11月3日、日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を希求して、戦争を放棄した。それは平和を愛する諸国民の公正と、正義に信頼したからである。しかるに世界は、依然として戦争の脅威にさらされ、原子力戦争は破滅を予想させつつある。
 本年になってAA会議、四国巨頭会議を契機として冷たい対立は一層雪どけの春をおもわせているにもかかわらず日本は再軍備が迫りつつある。
 われわれはここに、あくまでも日本の平和憲法を擁護するとともに、世界の諸国民がひとしく恐怖と欠乏から免かれ、皮膚の色にかかわりなく人類各員の基本人権を尊重し、人類協同の平和のうちに生存する権利を有することを確認し、国家の存在するかぎり戦争の脅威を避け得ない現実にかんがみ、戦争を絶滅し真の恒久平和を実現するためには今日の国家単位の国連を、世界連邦にまで発展せしめるほかないことを確信し原爆の被害者として世界人類の平和を希う日本民族の悲願を表明して、茲に、現に開催中の国連第十回総会に対し次の三項の早期実現を勧告する。

一、未加盟国を残りなく国連に加盟させること

(註)未加盟国のうちスイスを除く他の二十数カ国はすべて加盟を望んでいる。平和機構の世界性を願うわれらはこの際未加盟国全部の加盟を求める。

一、1956年9月に国連憲章再審議会議を開き、それを世界憲章起草会議とすること

(註)世界憲章の内容については、世界連邦世界運動及び世界連邦国会委員会にて研究された素案を討議題とすればよい。

一、1957年に国連総会と併行して第1回世界人民会議を招集すること

(註)世界人民会議に於ては、次の諸問題が議せられるべきであろう。
   Ⅰ 軍備を如何に撤廃すべきか
   Ⅱ 資源と人口を如何に調節すべきか
   Ⅲ 経済交流を如何に自由にすべきか
   Ⅳ 人類平等、人権尊重を如何に実行すべきか
   Ⅴ 世界諸国民の出入国管理等如何にあるべきか

右方式により平和を護持し、専制と隷属、圧迫と偏狭を地上から永遠に排除し得る世界社会の建設を要望する。
右勧告する。

1955年11月11日

 PDFアピール文→ 1j.pdf
 PDFアピール文(英文)→ 1e.pdf