1956 米大統領に対し水爆実験中止を訴えるアピール

1956年4月3日

 水爆実験によって放出される放射能は、人々の健康に不測の被害を及ぼし、人類の生命に危険であるばかりでなく、その遺伝的悪影響について今日世界のいかなる権威者といえども未だはっきりした結果をいうことができない現状において、水爆実験はいかなる国によってもまたいかなる地域においても、絶対に行われてはならないものと思惟いたします。もしも貴国政府が、今日の人類の不安と世界の世論を無視し、太平洋水域におけるこの四月の水爆実験を強行されるならば、それはまさに神を無視し、敢て全人類に挑戦する行為といわれてもしかたありますまい。

 わたくしたちは、最近の貴国政府の日本政府に対する回答に大いなる不安を感じているものであり、幸いに貴下の聡明なるご裁断によって水爆実験を中止し、さらに進んで原水爆の使用実験を禁止する国際協定の締結に尽力されるよう、貴下の崇高なる人類愛に信頼してあえてここに勧告いたします。

1956年4月3日

世界平和アピール七人委員会

アイゼンハワー米大統領殿