1971 60J 四次防に関する要望書

1971年12月15日

 国内に資源をもたず、その殆どすべてを海外にあおがねばならないわが国は、その存立の基礎を外国との貿易に見出さねばなりません。

 しかし、それが円滑、かつ活発に行われるためには、諸国との互恵平等を目的とし、道義的、文化的にあらゆる国々の信頼と尊敬をうけるにたるものでなければならないと思います。

 しかるに近来、わが国における軍国主義の復活が国の内外で問題にされるようになり、世界にまれな平和憲法をもっているにもかかわらず、わが国の進路に対し疑惑と恐怖をもつ国が少なくありません。

 ところでこれらの国々の不信感にはいろいろな理由があるにせよ、いわゆる「四次防」の決定がそれに拍車をかけるであろうことは、疑いのないところであります。

 もし「四次防」が現状のままに進み、日本国憲法の存在にもかかわらず、軍備が増強され、軍事産業が拡大されるならば、それは諸国の疑念をますます深めるのみならず、わが国を世界の中で孤立化させかねないことになります。

  わが国は、世界の全面軍縮を達成する先頭にたつべきであると考える私どもは、それに逆行する「四次防」については強く反対せざるをえません。

政府がすみやかに「四次防」を、根本的に再検討されるよう要望いたします。

1971年12月15日

世界平和アピール七人委員会

内閣総理大臣 佐藤栄作殿