ベトナム和平の可能性をさぐる公式な話し合いが、アメリカ、北ベトナム両国政府間でおこなわれることになりました。この動きは、私どもが最も待ち望んだものの一つであります。
無論、今回の話し合いは休戦そのものの交渉ではありません。しかしその大前提となる北爆の完全停止を、どのようにして確保するかという問題をとりあげるのだといわれております。
つまり今回の話し合いが成功すれば、平和交渉への扉がようやくひらかれ、これが失敗すればベトナムの国民とそこで戦う人々はとめどもない殺りくと悲惨への道をさまよわねばならないのであります。また世界にとっても、それはかぎりない危険の深まりを意味します。
アメリカと北ベトナムのこんどの接触は、ベトナム戦争以来はじめてともいえるほど両国の和平気運が一致したときになされるのであり、その点で最大のチャンスをひそめるものであります。このチャンスはぜひ生かさねばなりません。そして真の意味での北爆の停止がベトナム和平のために絶対必要であり、それは、今日すでに国際的な常識とさえなっています。
両国代表による実りある話し合いを、世界平和の名によって強く願わずにはいられません。
1968年4月4日
世界平和アピール七人委員会