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1973 65J フランスは核実験を中止せよ

1973年5月29日

 貴国は、国際世論の猿い反対にもかかわらず、南太平洋で核実験をあえて行なおうとしています。

 言うまでもなく、大気圏内の核実験は、世界平和を脅すばかりでなく、地球環境の汚染に拍車をかけるものであり、人類の生存にとって許し難い行為であります。

 貴国は、全ヨーロッパ安全保障体制の樹立というソ連の要求に進んで賛成されていますが、これは軍事よりも政治を重視する考えにもとづくものと思われます。

 このたびの核実験は、こうした動きにも矛盾するものであり、まことに遺憾であります。

 世界唯]の被爆国として、核兵器の廃絶を念願する私どもは、貴国が核実験を中止するよう、強く要望致します。

1973年5月29日

世界平和アピール七人委員会
      上代  た の
      茅   誠 司
      大河内 一 男
      朝永  振一郎
      植村    環
      湯川  秀 樹
事務局長 内山  尚 三

フランス共和国大統領 ジョルジュ・ポンピドー殿

1972 64J 北爆再開に強く反対する

1972年12月20日

 パリ会談が妥結し、インドシナ半島全体にわたり戦闘が停止されることは、全世界の人々の強い念願でありました。

 しかるに貴国は、北ベトナムをして速かに停戦協定を受諾させるために、北爆を再開致しました。力の政策が問題打開の有効な手段ではありえないと考えるわれわれは、これに対し強く反対致します。

 そもそもジュネーブ会談以来の経過をみてもわかるように、力の行使は常に双方の不信を強め、戦争をエスカレートするだけでありました。

 それによって戦争の悲惨さは、言語に絶するものにまでなってきたのであります。現在の膠着状態を打開するために再び力を用いることは、解決をうながすことにはならず、却ってそれをおくらせ、事態をますます悪化させると思います。

 そしてさらに最悪の場合には、収拾できない泥沼状態に陥るであろうことを、深く憂慮せざるをえません。

 われわれは、かねてから力の政策にもとづく北爆は、ベトナム戦争を解決することにはならないことを主張してきましたが、ここにあらためて訴えざるをえません。

 貴国が即時北爆を停止し、十月二十六日発表案の線にたちもどり、ベトナム和平を実現すべく、理性と人道の立場に立って、話し合いを再開されることを要望致します。

1972年12月20日

世界平和アピール七人委員会
      上代 た の
      茅誠   司
      朝永 誠一郎
      植村   環
      湯川 秀 樹
事務局長 内山 尚 三

アメリカ合衆国大統領 リチャード・ミルハウス・ニクソン殿

1972 63J フランスに核実験の中止を要望する

1972年6月26日

 貴国は、国際世論を無視して、ムルロア環礁で核実験をあえておこなおうとしています。

 言うまでもなく、大気圏内の核実験は、地球環境の汚染に拍車をかけるものであり、人類の生存にとって許し難い行為であります。
 貴国が重要な地位にあるヨーロッパでは、現在冷戦に終止符がうたれようとし、全ヨーロッパ安全保障機構の樹立をめざして、交渉がおこなわれる情勢にあります。

 これはヨーロッパが全世界の中で緊張緩和の先達になろうとし、軍事よりも政治を重視とする考えにもとづくものと思われます。

 貴国のこのたびの核実験は、こうした動きにも逆行するものであり、遺憾であります。世界唯一の被爆国として、核兵器の廃絶を念願する私どもは、資国が核実験を中止するよう強く要望致します。

1972年6月26日

世界平和アピール七人委員会
       上代 た の
       茅誠   司
       朝永 振一郎
       植村   環
       湯川 秀 樹
事務局長 内山 尚 三

フランス共和国大統領 ジョルジュ・ポンピドー殿

1972 62J 中国の核実験に強く抗議する

1972年3月20日

 貴国がこのたびあえてした大気圏内の核実験に、いかなる国、いかなる形のものであろうと、核実験に対し常に反対してきた私どもは強く抗議いたします。

 周知のとおり、現在、ジュネープで軍縮委員会が開かれておりますが、米ソなど超大国をはじめ他の中小諸国も、国連復帰後の貴国の参加を望んでいます。貴国がこの会議にはいれば、従来出席を渋っていたフランスもこれに出席せざるを得ず、そうなれば核保有国のすべてが参加することになります。その結果、大気圏内外、水中、地下などあらゆる地域における核実験の禁止が討議され、核軍縮への道が大きく踏み出されるでありましょう。

 しかるに今回の実験は、軍縮委員会への参加要望に対し貴国が拒否の回答をしたものだとうけとられるかもしれません。

 私どもは、このことを深く憂慮いたします。今回の実験を最後として、これをくり返えさないよう要望いたします。

1972年3月20日

世界平和アピール七人委員会
       上代 た の
       川端 康 成
       茅誠   司
       朝永 振一郎
       植村   環
       湯川 秀樹
事務局長 内山 尚三

中華人民共和国首相 周恩来殿

1972 61J 中国の核実験に抗議する

1972年1月10日

 貴国は、またしても大気圏内核実験をあえてしました。まことに遺憾であり、ふたたびかようなことのないよう強く求めざるをえません。私どもは、あらゆる核実験に反対し、激しくこれに抗議するものです。

 この際、貴国のいうように、すべての核保有国がいかなるとき、いかなる状況のもとでも最初に核兵器を使用しないと宣言すると同時に、最終的には核兵器の完全禁止と全面的廃棄を実施するよう、世界会議を開いてこれを討議するとの構想を、速やかに実行に移されんことを希望します。

1972年1月10日

世界平和アピール七人委員会
       上代 た の
       川端 康 成
       茅  誠 司
       朝永 振一郎
       植村   環
       湯川 秀 樹
事務局長 内山 尚 三

中華人民共和国首相 周恩来殿

1971 60J 四次防に関する要望書

1971年12月15日

 国内に資源をもたず、その殆どすべてを海外にあおがねばならないわが国は、その存立の基礎を外国との貿易に見出さねばなりません。

 しかし、それが円滑、かつ活発に行われるためには、諸国との互恵平等を目的とし、道義的、文化的にあらゆる国々の信頼と尊敬をうけるにたるものでなければならないと思います。

 しかるに近来、わが国における軍国主義の復活が国の内外で問題にされるようになり、世界にまれな平和憲法をもっているにもかかわらず、わが国の進路に対し疑惑と恐怖をもつ国が少なくありません。

 ところでこれらの国々の不信感にはいろいろな理由があるにせよ、いわゆる「四次防」の決定がそれに拍車をかけるであろうことは、疑いのないところであります。

 もし「四次防」が現状のままに進み、日本国憲法の存在にもかかわらず、軍備が増強され、軍事産業が拡大されるならば、それは諸国の疑念をますます深めるのみならず、わが国を世界の中で孤立化させかねないことになります。

  わが国は、世界の全面軍縮を達成する先頭にたつべきであると考える私どもは、それに逆行する「四次防」については強く反対せざるをえません。

政府がすみやかに「四次防」を、根本的に再検討されるよう要望いたします。

1971年12月15日

世界平和アピール七人委員会

内閣総理大臣 佐藤栄作殿

1971 59J 中国の核実験は遺憾

1971年11月20日

 貴国はまたも大気圏内の核実験をおこないました。あらゆる核実験に反対する私どもとしては、まことに遺憾というほかはありません。

 ことに今回の核実験は、地上に死の灰を降らせるだけではなく、米中共同声明以来、緊張緩和に向っているアジア情勢に、逆行するものであります。

 また、第二十六回国連総会は、圧倒的多数で貴国の復権を実現致しましたが、これをなした国々は主として中小国であります。しかもこれらの国々こそ非核保有国であり、核兵器にいいようのない恐れと嫌悪感をもっています。そして貴国が国連参加の暁には、核軍縮をリードするものと考えていたことを思いますとき、このたびの核実験は、貴国に対するこうした国々の期待に反するものといわざるをえません。

 重ねて、今回のような措置にでないよう、強く要望致します。

1971年11月20日

世界平和アピール七人委員会

中華人民共和国首相 周恩来殿

1971 58J 米国核実験の中止を訴える

1971年11月1日

 貴国は、近くアリューシャン列島のアムチトカ島で、五メガトンの威力をもつ、地下核実験を実施されようとしています。

 このことは、貴下が訪中を決意されたことによって国際緊張の緩和が国際的に考えられようとし、また貴国とソ連が核戦略兵器の制限交渉を続けて合意が約束されたことに矛盾するものであります。更に中国の国連参加によって中国とフランスが軍縮会議に出席し、核軍縮会議の可能性が生れようとしている国際情勢にも逆行するものであります。しかるに貴国がこれらを考慮せずに敢えて核実験を強行することは、貴国が唱える核拡散防止条約を自ら弱めるばかりでなく、世界平和への前提である核軍縮を全く無視するものといわざるをえません。

 われわれは貴国が国際世論の要望を考え、核実験を思いとどまるよう強く訴えます。

1971年11月1日

世界平和アピール七人委員会

アメリカ合衆国大統領 リチャード・ミルハウス・ニクソン殿

1971 57J 中国代表権問題に関する要望書

1971年9月4日

 やがて第二十六回国連総会が開かれ、ここで、中国代表権問題が最大の議題となることは周知のとおりであります。
 私どもは、理論上も現実も「中国は一つ」であり、世界人口の四分の一をしめる中華人民共和国政府の国連参加が、一日も早く実現することが必要であると信じます。その意味においてこれを阻害するおそれのある「逆重要事項」方式と「複合代表制」方式については反対であります。

 中華人民共和国政府が国連に参加することは、国連の普遍性を真に実現しまたそれによって、その最も重要な課題の一つである国際軍縮協定への道が、大きく開かれるでありましょう。

 現在において世界の重要問題はことごとく中華人民共和国政府の参加なしには解決しえません。日本政府がこの認識の上に立って、速やかに日中国交を回復するよう努力することを、ここに強く要望致します。

1971年9月4日

世界平和アピール七人委員会

内閣総理大臣 佐藤栄作殿

1969 56J 中国、ソ連、米国の核実験に際して

1969年10月2日

 中国が大気圏内で核実験を強行しました。またソ連も地下実験を行い、米国も近くアリューシャンで大規模な地下実験を行うといわれております。

 まことに遺憾としなければなりません。

 いうまでもなく、大気圏内の実験は、放射能の被害を体験した日本国民に耐えがたいものを感じさせます。しかも、いま危機的な激動下にある世界にとって最も重大な問題は、平和に対する全般的な脅威であります。危険なペースで増大する大国群の軍事支出と核実験が、これを如実に示しています。この意味で、地下実験であっても、それは決して国際世論のきびしい非難を免れうるものではありません。ことに、国連軍縮委員会にあって軍縮を討議してきた大国群、わけても戦略核兵器の抑制と削減について特別に話し合おうという米ソに、このことがいえましょう。両国が、ともに提案して成立させ、みずから調印した核拡散防止条約も、軍縮の実現を約束しているはずです。こうして、大気圏内での実験はいうまでもなく、地下実験をも含め、あらゆる核実験を停止するようすべての核大国に訴えます。

 さらに基本的には、核軍縮そのものの達成が絶対に必要であることを指摘せざるをえません。そして、このために最終的には中国が国連に参加し、核兵器を保有する五大国による真剣な軍縮の話し合いがおこなわれるべきであります。

 現下の緊張した国際状勢にかんがみ心から関係各国に訴えます。

1969年10月2日

世界平和アピール七人委員会