中国が大気圏内で核実験を強行しました。またソ連も地下実験を行い、米国も近くアリューシャンで大規模な地下実験を行うといわれております。
まことに遺憾としなければなりません。
いうまでもなく、大気圏内の実験は、放射能の被害を体験した日本国民に耐えがたいものを感じさせます。しかも、いま危機的な激動下にある世界にとって最も重大な問題は、平和に対する全般的な脅威であります。危険なペースで増大する大国群の軍事支出と核実験が、これを如実に示しています。この意味で、地下実験であっても、それは決して国際世論のきびしい非難を免れうるものではありません。ことに、国連軍縮委員会にあって軍縮を討議してきた大国群、わけても戦略核兵器の抑制と削減について特別に話し合おうという米ソに、このことがいえましょう。両国が、ともに提案して成立させ、みずから調印した核拡散防止条約も、軍縮の実現を約束しているはずです。こうして、大気圏内での実験はいうまでもなく、地下実験をも含め、あらゆる核実験を停止するようすべての核大国に訴えます。
さらに基本的には、核軍縮そのものの達成が絶対に必要であることを指摘せざるをえません。そして、このために最終的には中国が国連に参加し、核兵器を保有する五大国による真剣な軍縮の話し合いがおこなわれるべきであります。
現下の緊張した国際状勢にかんがみ心から関係各国に訴えます。
1969年10月2日
世界平和アピール七人委員会