アメリカはついに「北爆」の全面的停止を決定致しました。パリ会談開始以来すでに五月余になりますが、これでベトナム和平への第一関門がようやく突破できたことは喜びにたえません。事態をここまで推し進めるには、いろいろな力が働いたことでありましょうが、世界世論の強い圧力があったことも忘れてはならないと思います。更にアメリカが南ベトナム民族解放戦線の和平会談参加をみとめ、また北ベトナムが、南ベトナム政府の参加に同意したといわれる事実も、きわめて大きな意味をもちます。
このような互譲こそが、ベトナム戦争そのものに全面的停止をもたらすうえで、最も必要だと考えるからであります。そのうえベトナムの場合は、朝鮮戦争の時のように、休戦だけでとどまってはならず、またとどまることを許さないものであります。したがって、ベトナム問題自体を解決しなければなりませんが、それには「ベトナムのことはベトナム人に」という大原則の実現がなによりも必要であるということをわれわれは重ねて主張致します。
1968年11月1日
世界平和アピール七人委員会