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2010年講演会「武力によらない平和を」に350人

2011年3月6日

 井上さんの「思い」引き継ぎ、辻井喬さんも初参加

「九条は世界の宝」(辻井さん)
「沖縄 命どぅ宝」(大石さん)

講演会は、まず、小沼通二委員・事務局長が開会のあいさつ。
続いて、詩人・作家の辻井喬さんが、「軍事力を行使しないと宣言した唯一つの経済大国である日本。九条は世界の宝であり、われわれは堂々と世界にこの宝を広めよう。アメリカの核の傘の下で、被爆国日本の安全保障を求める精神はおかしい」と、日本の平和への役割を語った。

続いて登壇したのは、大石芳野委員。「沖縄 命どぅ宝」(ぬちどぅたから)」と題して、自らが長年にわたって撮影した写真をスクリーンに映しながら解説。「集団自決」などで戦争の傷を負い、今も戦争のための米軍基地と向き合わざるをえない、一人ひとりの人間について話した。

 
「日本を分断させるな」(武者小路さん)
「政策介入に問題」(土山さん)
「言論状況に問題あり」(池田さん)

武者小路公秀委員は「日米同盟と沖縄」と題し、大石委員の話を受けつつ、沖縄の現状と国際状況のつながりに言及。本土と沖縄の温度差に触れて、「本土と沖縄とに、日本が『分断』されてよいのか」と問題提起し、会場の人々に強い印象を与えた。
土山秀夫委員は「日米安保と九条」をテーマにことの本質に迫り、安保条約の成り立ちや「思いやり予算」の拡大、アーミテージ米元国務副長官らによる日本の政策決定への介入などを指摘。安保より、憲法9条の理念を活かす道を提起した。
池田香代子委員は、広島、長崎以来、人類が膨大な核兵器を蓄積してきたことを物語る橋本公氏の作品「オーバーキルド」の上映も入れて、「核はいらない、過去も未来も」と訴えた。尖閣問題をめぐる日本の言論状況への危惧も語った。

休憩時間をはさみ、後半に移ったが、休憩時間にも大石芳野委員が撮影したカラー・スライド写真「沖縄の情景」の映写を行った。後半は委員全員が登壇して、討議と質疑応答に入った。


「時間の地平線」(池内さん)
「独立国」か「植民地」か、「九条」か「安保」か 全員が討論
まず司会役の池内了委員が、「辻井さんは日本は独立国でなければならない、と語り、武者小路さんも日本は米国の半植民地だ、とした。そのうえで土山委員が、日米安保か憲法9条かという問いを出した」と、前半の講演の流れをまとめた。
それに対し、池内氏自身の意見として、軍事基地のある所こそが最初に狙われるのであって、芸術の香ぐわしさに満ちた国をどこが攻めようかと、平和主義の「強み」を強調。「思いやり予算でピカソの絵を買えば、どれほど買えるか」とも述べた。また「時間の地平線」という言葉を紹介し、どれだけ将来までを見通して、一歩ずつ状況を変えていくことが出来るかが、大切なことだと語った。
 討議に入り、各委員が補足発言やお互いのやりとりをした。
辻井委員は、「日本は独立国になっていないと述べたが、独立国になれる環境は整いつつある。冷戦が終わり、さらに米国一極集中も崩れ始めている。世界経済が今の長いトンネルを抜けた時、世界はもっと多様化しているかもしれない。その中で日本は経済の一極になるのではなく、平和憲法を持つ唯一の国として、平和的役割を果たす国になるべきだ」と語った。
「沖縄の優しさ」、憲法の「反植民地主義」も議論
大石委員は、沖縄の優しさの理由を問われ、「たしかに沖縄の人たちは『人を傷つけたら自分が辛いでしょう』と語る優しさを持っている。その沖縄の人が、他県の人に同じ苦しみを味あわせたくないと従来言わなかった「基地の県外移設」を、ここ数年、口にし始めた」と話した。
「本土で花と言えば『花は桜木、人は武士』。しかし沖縄で花と言えば、大小さまざまな花を思い浮かべる。そういうことが、沖縄の優しさの原因ではないだろうか」と武者小路委員は話した。
「沖縄の海兵隊は南北朝鮮有事のためにおり、台湾海峡の時には第七艦隊が出るというのが軍事専門家の一致した見方だ。そうであれば、韓国が受けるかどうかの問題があるが、海兵隊を韓国に移すという議論の試みも一度あってよいのかもしれないと思う」と土山委員は述べた。
会場からの質問は多数に上った。各委員が、そのうちのいくつかに対して答えた。
「日本が独立するために必要なことは?」という質問に、辻井委員は「第一に、優秀な人が政治家になれるような環境をつくること。第二に、日本のメディアが、米国の特定の研究者の言い分だけを聞くような今の姿勢を改めることだ」と語った。
「沖縄差別の根源は?」という問いに対しては、大石委員が「やはり歴史が大きいのだろう」とし、差別をなくすには「その身になって考えること」と言った。
植民地に関する質問もあった。武者小路委員は、「日本国憲法前文の平和的生存権、『恐怖と欠乏から免れ』という文言は、日本がアジア諸国に恐怖と欠乏を押し付け、生存を脅かしたことへの反省にほかならない。日清戦争後の下関条約のとき、欧米列強は『日本が清国と儒教的に解決してしまうのではないだろうか』と恐れた。しかし、日本は帝国主義的に、台湾割譲や賠償金を清に要求したため、安堵したという。反植民地主義の側に立つ選択肢も、歴史的に日本にはあったのだ」。
「テポドンを射ってきたら、との疑問に対してどう答えたらよいのか」という質問もあった。土山委員は、こう答えた。「米国の専門家によれば、テポドンを射てば、米国のネオコンが、えたりやおうとピョンヤンを壊滅させるだろう。だから北朝鮮は米国と話し合いたいのだ」
「日本は中国になめられている」という声もあるが、との意見に、池田委員は「一番なめられているのは、アメリカにではないかと私は答えている。すると相手は『そりゃアメリカには戦争で負けたからさ』と言う。でも中国にも負けたのだと思うのだが。なかなか話が通じない」。

「武力の依らない平和」は空想ではない
最後に、「武力によらない平和」がどうやったら可能なのか?という疑問に対して、全体の司会を務めた小沼委員が立ってこう語った。  「長い歴史で考えてみよう。日本国内でも、戦国時代には隣人同士で互いに戦っていた。今は、そのようなことは全くなくなったではないか。ヨーロッパにおける独仏の関係も、繰り返し戦った長い歴史は過去のものになり、友好関係に変わった。厳しい冷戦の象徴であったベルリンの壁の崩壊は、直前まで誰にも予想しえなかった。しかしチャンスが来たときにそれを捉えることができるためには、常に考え、準備を続けていく必要がある。そうすれば、いつ来るのかは分からなくても、チャンスが来た時に、それを捉えて変化させることができる。アジアだって真に一つになれるだろうし、ならなければならない。武力によらない平和は空想ではなく、可能だ。私たちは楽観主義でありたい」
おわりに福田邦夫・明治大学軍縮平和研究所長が閉会の言葉を述べ、午後6時の開会から3時間を超えた講演会を締めくくった。
(了)
 

辻井喬さんが七人委員会に参加

2010年10月1日

井上ひさしさんが、さる4月9日に亡くなられた後、1人欠員になっていた委員に、詩人で作家の辻井喬さんが9月6日に参加されることが決まりました。
辻井さんは1927年東京でお生まれになり、日本ペンクラブ理事、日本文藝家協会副理事長、日本中国文化交流協会会長をされています。詩集に『群青、わが黙示』(高見順賞受賞)、『鷲がいて』(現代詩花椿賞、読売文学賞詩歌俳句賞受賞)など、小説に『虹の岬』(谷崎潤一郎賞受賞)、『父の肖像』(野間文芸賞受賞)、『茜色の空』など、回顧録『叙情と闘争』などがあります。2006年には第62回恩賜賞・日本芸術院賞を受賞されています。詳しくは委員のプロフィールをご覧ください。

 

 

潘基文国連事務総長に七人委員会がメッセージと核兵器DVDを贈呈

2010年8月8日

来日中の潘基文国連事務総長が、2010年8月5日に初めて長崎を訪問した。国連側9名、長崎側7名の午餐会において、長崎県知事の歓迎と潘事務総長の答礼の辞のほかに、世界平和アピール七人委員会の土山委員が特に発言の機会を与えられた。土山委員は、① 1955年の七人委員会の誕生のいきさつから、② 最近まで102回のアピールを国内・国外に発表してきたこと、③ 去る4月8日の第102回アピールでは、2008年10月24日に開かれたシンポジウムにおいて潘事務総長が強調した核廃絶への5項目提案を全面的に支持することを述べ、その中の核兵器禁止条約への交渉開始の要請を特に取り上げて、速やかな取り組みと結論到達を要望する旨、国内国外に発表すると共に、当時の鳩山首相には直接お会いして日本の貢献を要望したことを紹介した。

2010 103J 国連事務総長潘基文殿へのメッセージ

2010年8月5日
アピール WP7 No.103J
2010年8月5日
世界平和アピール七人委員会
武者小路公秀 土山秀夫 大石芳野 池田香代子 小沼通二 池内了

 事務総長殿
 私たちはあなたの広島、長崎訪問を心から歓迎します。私たちは、核兵器なき世界の実現を目指すあなたの熱心なご努力を高く評価して参りました。それは、2008年10月24日に国際連合本部で開かれたシンポジウムで行われたあなたの基調演説「国際連合と核兵器なき世界の安全保障」を始め、国際連合でのさまざまな機会に示されたあなたのリーダーシップで明らかです。
 世界平和アピール七人委員会は1955年11月11日に、日本の代表的知識人7人によって設立されました。その第1回アピールは「国際連合の第10回総会に寄せるアピール」で、国連の役割を強化すること及び戦争の廃止を追求することを訴えたものでした。それは、日本の漁船員とマーシャル諸島住民に重大な結果を及ぼしたビキニ環礁における米国の一連の水爆実験があった翌年、さらに「人間性を心にとどめ他は忘れよ」と述べたラッセル・アインシュタイン宣言が発表された年のことでした。
 それ以来七人委員会は、平和と正義と人道に根ざし、外部から独立した個人の資格において、国際、国内向けに102回のアピールを発表して参りました。私たちは当初から、世界におけるいかなる紛争も平和的手段で解決すべきであるとの信念に立ち、核兵器の廃絶を追求して参りました。私たちは、核兵器の保有と核の傘政策の採用は、いかなる国の例外もなしに、廃止されるべきであり、廃止が可能であると信じています。私たちの最新アピールは2010年4月8日に出した「私たちは全ての国に核兵器禁止条約の早期採択に向けた交渉の開始を求める」アピールですが、私たちはこの中に2008年10月24日のあなたの演説を明示致しました。私たちはこれらのアピールが、あなたと同じ考えに立つものであることを確信しています。この2通のアピールをここに同封いたします。

 私たちはあなたのご見解を強く支持し、あなたが核兵器の完全廃絶を実現するために今後も努力を続けられることに、心からの期待を表明します。私たちは核兵器なき世界、戦争なき世界を実現するために一層の努力をすることを誓います。

 PDFアピール文→ 103j.pdf

核兵器禁止条約を求めるアピールを発表 鳩山首相と会談、「核廃絶の先頭に」と激励

2010年4月9日

世界平和アピール七人委員会は、4月8日午前、首相官邸で鳩山由紀夫首相と会い、別紙の「核兵器不拡散条約再検討会議を前にして、核兵器禁止条約の採択に向けた早期交渉開始を求める」とのアピール(No.102)を手渡しました。

アピールは、来月のNPT再検討会議、来週の核セキュリティ・サミットを前に、各国の政府に核兵器禁止条約の締結に向けて、積極的な取り組みをするよう求めたもので、鳩山首相にも「核兵器廃絶の先頭に立ってがんばってほしい」と申し入れました。
委員会はこのあと、このアピールを国連事務総長および主要各国首脳に届けることにしています。
現在の委員会のメンバーは、武者小路公秀、土山秀夫、大石芳野、井上ひさし、池田香代子、小沼通二、池内了の7人。この日の鳩山首相との会談には、療養中の井上ひさし、所用で欠席の大石芳野、池内了の3委員を除く4人の委員が参加しました。
鳩山首相は「世界平和アピール七人委員会は、私の祖父が総理だった時代からずっと引き続いて活動されている由緒ある組織と聞いている。来ていただいて有り難い」との挨拶があり、小沼委員・事務局長から、アピールの趣旨を説明、アピールを手渡した。
核兵器禁止条約について、小沼委員は「日本は前政権時代から、きて棄権を続けており、昨年12月も棄権してしまった]と説明。土山委員も「核兵器禁止条約は、NPT(核拡散防止条約)と違って、核兵器を法的に規制しようとするものだ。NPT条約に加入しないインド、パキスタンや北朝鮮もこれには賛成している。いま核兵器がテロ組織に渡ったら大変だ、という危惧をみんな持っているが、この条約なら全体が一致できるはずだ。日本はその先頭に立ってほしい」と強調した。
また、武者小路委員は「コスタリカとマレーシアが核兵器禁止条約の草案を出している。日本も同意見だと言っていただくことは、南北関係の上で大変意味が大きい」と鳩山首相にアドバイス。武者小路委員は最後にも「生物多様性条約の締結国会議も重要です。首相に頑張っていただきたい」と激励した。
池田委員は、池上彰氏とともに出版した「日本がもし100人の村だったら」を「総理に期待しています」と手渡した。
これに対し鳩山首相は「貴重なご意見をいただいた。核セキュリティサミットには出掛けることにしている。NPT再検討会議の方はどうなるか分からないが、強い関心を持っている。オバマ大統領は核保有国への攻撃はしない、という消極的安保に一歩踏み込んだ。しかし、完全ではない。すべての核保有国がこうした方向に行くように行ってほしいと思っている。核兵器禁止条約については私ももっと勉強してみたいと思っている。日本はそうした責任があると思っている。皆さんの意見を参考にして政府として何ができるかなどを研究したい」と述べた。
この会談には、核実験の恐怖や、核爆弾の数などを映像化した橋本公さんも参加、自作の「1945-1998」「オーバーキルド」「核実験の名前たち」のビデオを首相に贈呈した。
委員会はこのあと、このアピールを国連事務総長および主要各国首脳に届けることにしている。
(了)

関連記事:池田香代子ブログ
世界平和アピール七人委員会、官邸で鳩山さんと会見
鳩山さんへのプレゼントは写真に撮っておきました

2010 102J 核兵器不拡散条約再検討会議を前にして 核兵器禁止条約の採択に向けた早期交渉開始を求める

2010年4月8日
アピール WP7 No.102J
2010年4月8日
世界平和アピール七人委員会
武者小路公秀 土山秀夫 大石芳野 井上ひさし 池田香代子 小沼通二 池内了

 核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議(2010年5月3-28日)と核セキュリティ・サミット(2010年4月12-13日)を目前にして、私たち世界平和アピール七人委員会は、2008年10月24日に国連本部で開催されたシンポジウムにおいて藩基文国連事務総長が行った基調演説「国連と核兵器のない世界の安全保障」を想起し、これを支持します。

ここで事務総長は5項目の提案を行いました。その中に含まれる以下の事項は、今日でも重要な問題として未解決のまま残されています。

(1)  すべてのNPT締約国、とりわけ核兵器国が、国連で長年にわたり提案されてきた核兵器禁止条約の交渉検討を含めて、NPTに基づく軍縮義務を履行すること。
(2)  核兵器国は、非核兵器国に対して、核兵器による攻撃も威嚇もしないことを明確に保証すべきこと。NPT非加盟国は、核兵器製造能力を凍結し、独自の軍縮公約を行うこと。
(3)  包括的核実験禁止条約(CTBT)、核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)、非核兵器地帯、国際原子力機関(IAEA)との軍事利用されないための保障措置協定、追加議定書などによって「法の支配」を強化すること。
(4)  核兵器国が具体的情報に基づく説明責任と透明性を強化すること。
(5)

 他の大量破壊兵器の廃絶、通常兵器の制限を含む、核軍縮の補完的措置を必要とすること。

 私たちはこれらいずれの提案にも賛意を表しますが、とりわけ重要かつ緊急を要するものとして、核兵器禁止条約の早期交渉開始を各国、なかでも核兵器国に対して求めます。
その理由は2つあります。

1つは1996年(12月10日)から2009年(12月2日)まで毎年、国連総会で採択されてきた「核兵器による威嚇または使用の合法性に関する国際司法裁判所の勧告的意見への補足」決議が、「全ての国家は、核兵器の開発、製造、実験、配備、保有、移譲、威嚇、使用を禁止し、廃棄を定める核兵器禁止条約の早期締結に導く多国間交渉を開始する義務を直ちに履行すること」を呼びかけていることが世界中で歓迎されると考えるからです。大量破壊兵器委員会(ハンス・ブリクス委員長)が2006年6月に国連に提出した報告書でも、核兵器非合法化のための準備を開始すべきことが提言されています。

他の1つは現行のNPTに加えて、核兵器の非合法性を明確化する法的規制が不可欠であると判断するからです。「核兵器のない世界」を目指す米国オバマ大統領は、繰り返しNPTの強化の必要性を表明しています。むろん私たちもその点には全面的に賛成します。しかし、それだけでは全ての国を核兵器廃絶に向かわせることはできません。なぜならば従来の経緯からみて、非加盟国、特にインド、パキスタン、イスラエルのNPT加盟を期待するのはきわめて困難だと思えるからです。私たちは、NPTを超えて、コスタリカとマレーシアが推進してきて藩基文国連事務総長も触れている核兵器禁止条約草案(モデル核兵器条約)に基づく誠実な交渉を、核兵器国を含む全国連加盟国が開始することが、より重要と考えます。

 核兵器禁止条約交渉開始を含む「核兵器による威嚇または使用の合法性に関する国際司法裁判所の勧告的意見への補足」決議には、国連の場においてインド、パキスタン、北朝鮮、イランも1996年以来一貫して賛成票を投じています。この事実は、核兵器禁止条約が、NPTを超えて核兵器を法の支配下に置き、核兵器が国家以外の組織に渡る危険性を防ぐ上でも有効かつ緊急の課題であることを示唆します。

 結論として私たちは、核兵器国ならびにNPT非加盟国を含む全国連加盟国が、核兵器禁止条約の速やかな採択を目指し、直ちに交渉に向けて積極的な取り組みを開始されるよう強く要請します。

連絡先:世界平和アピール七人委員会事務局長 小沼通二
メール: mkonuma254@m4.dion.ne.jp
ファクス:045-891-8386

URL:https://worldpeace7.jp

 PDFアピール文→ 102j.pdf

世界平和アピール七人委員会2009年講演会「核といのちを考える」開催

2009年11月25日

世界平和アピール七人委員会は2004年から毎年、11月11日の創立記念日前後に講演会を開催しています。来年名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開かれることを考慮して、今年の講演会は名古屋で開催しました。中日新聞社と名古屋青年会議所が名古屋開催を積極的に支援されたことから、世界平和アピール七人委員会と中日新聞が共同で主催、青年会議所は共催という形で開催しました。

講演会は11月7日(土)午後6時半から9時まで、名古屋の中心にある名古屋商工会議所ビルの大会議室で開かれ、約250人の聴衆が集まりました。今回は体調を崩して不参加となった井上ひさし委員を除く6委員全員が交代で演壇に立ち、それぞれメインスピーチを行いました。各委員の語ったテーマは以下の通りです。

▽土山 秀夫 「日本の核政策への注文と期待」
▽小沼 通二 「七人委員会と核のない世界」
▽武者小路 公秀 「いのちの多様性」
▽池田 香代子 「いのちに敵対するもの」
DVD[Overkilled](橋本公作品)の映写を含む
▽大石 芳野 「いのちを問う~枯れ葉作戦が遺したもの」
▽池内 了  「宇宙・地球・生命」

各委員はそれぞれ持ち味を発揮したスピーチを行い、随所で聴衆の笑い、感嘆のため息、拍手を浴びました。多彩な内容が詰まっていただけに聴衆の受け止め方も多様だったと思われます。6委員のメインスピーチの後、中日新聞編集局長志村清一さんの司会で質疑応答が行われました。時間が不足気味でしたが、会場からの質問やコメントを受けて各委員からの回答や補足発言があり、最後は大きな拍手で閉会となりました。「生物多様性」という一般になじみのない言葉が、ようやく理解されるきっかけになった講演会でした。

名古屋各紙がアピール「いのちを大切にする世界を目指して」発表を報道

2009年11月25日

世界平和アピール七人委員会は11月6日午後名古屋観光ホテルで記者会見を開き、2010年名古屋で開かれる生物多様性条約第10回締約国会合(COP10)に向けたアピール「いのちを大切にする世界を目指して」を発表しました。11月7日の名古屋発行各紙朝刊はこのニュースを掲載しました。各紙の見出しは次の通りです。
▽中日 COP10重要性訴え 世界平和七人委 きょう講演会も
▽朝日 平和七人委がアピール
▽読売 いのち大切に 生物多様性訴え きょう識者ら対話集会
記者会見する武者小路委員、小沼委員の写真付き
▽日経 朝刊コラム「窓」(見出しなし)

なお中日新聞は11月11日付朝刊で同アピール全文を掲載しました。ちなみに世界平和ピール七人委員会は1955年11月11日に発足しましたので、ことしの11月11日は54回目の誕生日ということになります。同アピールは委員会発足以来99番目のアピールとなりました。

世界平和アピール七人委員会名古屋対話集会「いのちを大切にする世界を目指して:生物多様性締約国会議へのアピール」

2009年11月25日

世界平和アピール七人委員会2009年講演会の名古屋開催を機に、名古屋地区の学者、研究者、NGOの方々との対話集会が開催されました。対話集会は世界平和アピール七人委員会が主催、「持続可能な開発教育」中部拠点、生物多様性市民ネットワーク中部の後援で開かれました。11月7日午後2時から4時45分まで、中部大学名古屋キャンパス大ホールで開かれ、七人委員会側は井上委員を除く6委員が出席、地元から数十人の研究者らが参加しました。

集会は小沼通二委員の司会により飯吉厚夫中部大学総長の挨拶で開会、最初のスピーカー武者小路公秀委員が、前日に発表された世界平和アピール七人委員会のアピール「いのちを大切にする世界を目指して」について解説しました。そのポイントは(1)人類の地質圏、生命圏に及ぼす破壊の力(2)すべての生命体の「平和に生きる権利」(3)知識開発・権力行使・市場活動の規制(4)生命圏と相互依存関係にある生命系維持的経済(5)伝統的な知識・工夫・慣習に学ぶ改革実践(6)貧困克服と地域経済の活性化-の6項目にあるというものでした。

次いで竹内恒夫・名古屋大学大学院教授が、地球市民が持続可能な暮らしを行うための行動指針として2000年に制定された「地球憲章」について解説、さらに高山進・三重大学教授が<「生物多様性」と人間の文化・文明>と題してスピーチ、ヒトが地域の生態系を保全しながら賢く利用する知恵を育んできた歴史に学ぶべきであることを訴えました。この後世界平和アピール委員会5委員がそれぞれの分野の問題について発言、また会場からの活発な質問やコメントがありました。来年のCOP10に向けて、中部地区の研究者たちと七人委員会の交流がスタートしました。

世界平和アピール七人委員会名古屋講演会に付随したイベント

2009年11月25日

世界平和アピール七人委員会のメンバーが名古屋に集まった機会に、いくつかのサテライト集会が催され、各委員が参加して講演を行いました。

▽ 武者小路委員 11月6日 午後4時30分―6時 愛知大学車道校舎
「国際環境と個人の生命活動~わたくしたちと国際環境をつなぐもの~」
講演テーマ:『生とし生けるものが平和に生存する世界を創るために』

▽ 大石委員 池内委員、11月6日午後4時30分~8時 三重大学総合研究棟
「写真から見た世界」 大石
「宇宙からみた世界」 池内

▽ 池田委員 11月6日 午後6時 名古屋学院大学白鳥校舎
平和問題研究会シンポジウム
11月8日 10時~午後5時 アスナル金山にて
「地球はひとつ 感謝のこころ溢れる共生のまち名古屋を目指して」(名古屋
青年会議所主催
11月9日午後2時  三重県津市立瀬尻小学校体育館 「授業」

▽ 土山委員 11月8日 午後1時30分~5時
日本平和学会 第19回グローバルヒバクシャ研究会
「被爆地長崎から今伝えたいこと」
(この講演に続き 沢田昭二名古屋大学名誉教授の「被爆の実相をどうとら
えるのか」の講演があった)