世界平和アピール七人委員会は、4月8日午前、首相官邸で鳩山由紀夫首相と会い、別紙の「核兵器不拡散条約再検討会議を前にして、核兵器禁止条約の採択に向けた早期交渉開始を求める」とのアピール(No.102)を手渡しました。
アピールは、来月のNPT再検討会議、来週の核セキュリティ・サミットを前に、各国の政府に核兵器禁止条約の締結に向けて、積極的な取り組みをするよう求めたもので、鳩山首相にも「核兵器廃絶の先頭に立ってがんばってほしい」と申し入れました。
委員会はこのあと、このアピールを国連事務総長および主要各国首脳に届けることにしています。
現在の委員会のメンバーは、武者小路公秀、土山秀夫、大石芳野、井上ひさし、池田香代子、小沼通二、池内了の7人。この日の鳩山首相との会談には、療養中の井上ひさし、所用で欠席の大石芳野、池内了の3委員を除く4人の委員が参加しました。
鳩山首相は「世界平和アピール七人委員会は、私の祖父が総理だった時代からずっと引き続いて活動されている由緒ある組織と聞いている。来ていただいて有り難い」との挨拶があり、小沼委員・事務局長から、アピールの趣旨を説明、アピールを手渡した。
核兵器禁止条約について、小沼委員は「日本は前政権時代から、きて棄権を続けており、昨年12月も棄権してしまった]と説明。土山委員も「核兵器禁止条約は、NPT(核拡散防止条約)と違って、核兵器を法的に規制しようとするものだ。NPT条約に加入しないインド、パキスタンや北朝鮮もこれには賛成している。いま核兵器がテロ組織に渡ったら大変だ、という危惧をみんな持っているが、この条約なら全体が一致できるはずだ。日本はその先頭に立ってほしい」と強調した。
また、武者小路委員は「コスタリカとマレーシアが核兵器禁止条約の草案を出している。日本も同意見だと言っていただくことは、南北関係の上で大変意味が大きい」と鳩山首相にアドバイス。武者小路委員は最後にも「生物多様性条約の締結国会議も重要です。首相に頑張っていただきたい」と激励した。
池田委員は、池上彰氏とともに出版した「日本がもし100人の村だったら」を「総理に期待しています」と手渡した。
これに対し鳩山首相は「貴重なご意見をいただいた。核セキュリティサミットには出掛けることにしている。NPT再検討会議の方はどうなるか分からないが、強い関心を持っている。オバマ大統領は核保有国への攻撃はしない、という消極的安保に一歩踏み込んだ。しかし、完全ではない。すべての核保有国がこうした方向に行くように行ってほしいと思っている。核兵器禁止条約については私ももっと勉強してみたいと思っている。日本はそうした責任があると思っている。皆さんの意見を参考にして政府として何ができるかなどを研究したい」と述べた。
この会談には、核実験の恐怖や、核爆弾の数などを映像化した橋本公さんも参加、自作の「1945-1998」「オーバーキルド」「核実験の名前たち」のビデオを首相に贈呈した。
委員会はこのあと、このアピールを国連事務総長および主要各国首脳に届けることにしている。
(了)
関連記事:池田香代子ブログ
世界平和アピール七人委員会、官邸で鳩山さんと会見
鳩山さんへのプレゼントは写真に撮っておきました