雪解けの様相を示していた米ソの間に、黒いジェット機問題から、端なくも両国間に不信が再燃し、東西首脳会談は決裂してしまった。また目下開かれている国連安保理事会も、米ソの対立がそのまま持ち込まれ、東西陣営の対決の場になりそうである。世界平和のため誠に遺憾である。
われわれは、この際国連総会が世界政局の収拾にあたるべきと思うので速やかに国連緊急総会を開き、平和共存の新秩序を樹立するために国連が権威ある世界主権の中心となり、随時発動しうる監視機構をつくる等、禍を転じて福となすの好機を掴むべきである。
なお速やかに核突験の伸止協定をむすぴ、核兵器製造の禁止、並びに貯蔵核兵器の平和利用への転換を計るべきである。
右勧告する。
1960年5月25日
世界平和アピール七人委員会