東西首脳会談が失敗に終わり、国際緊張が激化しようとしています。首脳会談の失敗により世界平和の実現は、大国の話し合いだけには任されず、小国を含めて、世界各国の活動の重要性があらためて認識されました。
とくに日本は原子兵器の被害国として、また戦争放棄の平和憲法を保持している唯一の国として東西の緊張が激化しようとしている今日、核戦争で人類が破滅に陥らないよう世界に強く訴える義務があると思います。
しかるに、このような重大な時において、安保新条約の批准をめぐって、議会政治が崩壊に瀕しようとしていることは、誠に遺憾であります。政府・各党とも、世界平和に対するわが国の使命の重大さを痛感し、世論に副うよう、一日も早く議会政治の正常化に努力し、世界に向って強く緊張緩和を訴えるべきだと思います。
われら七人委員会は、別記のごときアピールを国連および各国首脳に出すにあたり、以上のことを政府・国会に要望します。
1960年5月25日
世界平和アピール七人委員会