1962 27J 原爆投下十七周年に際しソ連に対し核実験の中止を要望するアピール

1962年8月7日

 わが広島と長崎に原爆が投下され、一瞬にして三十万人の同胞に死傷をもたらしたその日から丁度十七年の歳月がたち、わが国においては世界各国から、平和を愛好する人達が集まり、各所において核実験禁止のための催しが行われております。またジュネーブにおける軍縮会議では、核実験禁止のための新しい提案がなされつつあり、合意による協定成立のために、真剣な努力が続けられています。

 しかるにこの時期において、貴下があたかも問答無用の態度をもって、大型の核兵器実験を再開されましたことは、核実験禁止に対する人類の要望を愚ろうするものと言うべく、遺憾の極みであります。

 核実験はいかなる理由があろうとも、悪であり、人類の破滅につながるものであり、国際世論の支持をかち得ないものであることは、このたびの貴下の再開に対して、核実験を継続中のアメリカが、なんらの有効な抗議をもなし得ないことによっても明らかであります。

 貴下はかつて自ら進んで核実験の停止を行った歴史を想起し、最後の実験を行う国としての不名誉を人類の歴史に残さぬよう、直ちに核実験を中止されることをわれわれは強く要望致します。

1962年8月7日

世界平和アピール七人委員会

フルシチョフ・ソ連首相殿