またしても、中国が核実験を強行しました。核兵器による災害がいかに悲惨なものかを熟知するわれわれとして、まことに遺憾だといわざるをえません。しかも、今回はミサイル核兵器の実験であります。このことは、中国の核兵器の開発が予想をはるかに越えた速度で進んでいる事実を示すと同時に、核軍縮の必要をいよいよ緊急なものにしました。
核兵器を中心とする軍縮への道を切りひらくべく、すみやかに、国際会議を開催し、核軍縮に対してすべての手が打たれねばなりません。中国としても、核兵器開発の最終日的は、「核兵器を消滅させるためだ」とする以上、こうした会議に参加を拒否する理由はないと思います。
ただ、中国の国連不参加問題が、国際軍縮会議参加への現実的な障害となっているのだとすれば、当然のことながら、この問題をできるだけ早く解決せねばなりません。国連総会は、目下開会中であります。核兵器の脅威のない世界をひたすら求める日本国民の願望を体し、わが政府が、国連総会で、この目的にそうてあらゆる努力を傾けるよう強く要望するものであります。
1966年10月31日
世界平和アピール七人委員会
内閣総理大臣 佐藤栄作殿