核兵器の被爆を現実に受けた国民として、われわれはいかなる国のいかなる核実験にも反対の立場をとりつづけており、これまで貴国の行った核実験に対しても、大気圏実験たると地下実験たるとを間わず、その都度抗議してきました。
しかるに貴国は今回また地下実験を強行しました。われわれはこれを極めて遺憾とするものであります。先般行われました貴国とアメリカ合衆国との首脳会談において、一九七六年三月三十]日以降地下実験を一五〇キロトン以下に制限する合意に達したことは、われわれもそれなりに評価するものであります。しかしわれわれの主張するところは、現在何らの国際的取り決めもなく放置されている地下核実験に関し、大国小国を問わずそのほしいままな遂行が時期を失せず国際協定によって一切禁止されるべきことであり、さらにまた貴国とアメリカ合衆国とがみずからの核軍縮に向って積極的に進むことであります。最近インドおよびイギリスの地下実験、フランス、および中国の大気圏実験などによって顕在化しつつある核拡散のおそれは、貴国ならびにアメリカ合衆国の超二大国みずからが、速やかに自粛の範を示すことによってこそ有効に防止されると、われわれは信ずるのであります。
1974年7月12日
世界平和アピール七人委員会
上代 た の
茅 誠 司
大河内 一 男
朝永 振一郎
植村 環
湯川 秀 樹
事務局長 内山 尚 三
上代 た の
茅 誠 司
大河内 一 男
朝永 振一郎
植村 環
湯川 秀 樹
事務局長 内山 尚 三
ソビエト社会主義共和国連邦 首相 アレクセイ・ニコラエビチ・コスイギン殿