2010 103J 国連事務総長潘基文殿へのメッセージ

2010年8月5日
アピール WP7 No.103J
2010年8月5日
世界平和アピール七人委員会
武者小路公秀 土山秀夫 大石芳野 池田香代子 小沼通二 池内了

 事務総長殿
 私たちはあなたの広島、長崎訪問を心から歓迎します。私たちは、核兵器なき世界の実現を目指すあなたの熱心なご努力を高く評価して参りました。それは、2008年10月24日に国際連合本部で開かれたシンポジウムで行われたあなたの基調演説「国際連合と核兵器なき世界の安全保障」を始め、国際連合でのさまざまな機会に示されたあなたのリーダーシップで明らかです。
 世界平和アピール七人委員会は1955年11月11日に、日本の代表的知識人7人によって設立されました。その第1回アピールは「国際連合の第10回総会に寄せるアピール」で、国連の役割を強化すること及び戦争の廃止を追求することを訴えたものでした。それは、日本の漁船員とマーシャル諸島住民に重大な結果を及ぼしたビキニ環礁における米国の一連の水爆実験があった翌年、さらに「人間性を心にとどめ他は忘れよ」と述べたラッセル・アインシュタイン宣言が発表された年のことでした。
 それ以来七人委員会は、平和と正義と人道に根ざし、外部から独立した個人の資格において、国際、国内向けに102回のアピールを発表して参りました。私たちは当初から、世界におけるいかなる紛争も平和的手段で解決すべきであるとの信念に立ち、核兵器の廃絶を追求して参りました。私たちは、核兵器の保有と核の傘政策の採用は、いかなる国の例外もなしに、廃止されるべきであり、廃止が可能であると信じています。私たちの最新アピールは2010年4月8日に出した「私たちは全ての国に核兵器禁止条約の早期採択に向けた交渉の開始を求める」アピールですが、私たちはこの中に2008年10月24日のあなたの演説を明示致しました。私たちはこれらのアピールが、あなたと同じ考えに立つものであることを確信しています。この2通のアピールをここに同封いたします。

 私たちはあなたのご見解を強く支持し、あなたが核兵器の完全廃絶を実現するために今後も努力を続けられることに、心からの期待を表明します。私たちは核兵器なき世界、戦争なき世界を実現するために一層の努力をすることを誓います。

 PDFアピール文→ 103j.pdf