作成者別アーカイブ: wp7
2021 147J 人権尊重を! 出入国管理政策の抜本的改革を求める
2021年6月8日
世界平和アピール七人委員会
大石芳野 小沼通二 池内了 池辺晋一郎 髙村薫 島薗進
法務省・出入国在留管理庁(入管庁)の人権侵害は、従来からさまざまに指摘されてきた。入管庁は、難民申請者を母国への送還を免れるために難民申請や在留延長申請を繰り返す不法滞在者だとし、彼らを施設に長期「収容」し、母国へ強制送還する例が度々生じてきた。収容施設でほぼ毎年複数の死亡者が出ているという事実は、日本の入管制度が収容者に過酷な状況を強いている証拠と言わざるを得ない。
入管制度をより厳格なものへ変えようとする出入国管理及び難民認定法「改正」案が審議されているさなか、スリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が3月に名古屋出入国在留管理局の収容先で亡くなった。ウィシュマさんに面会していた支援者は「面会をするたびに体調が悪化していた」と述べ、「すぐに入院させるべき」と何度も申し入れたが、職員は拒否し続け死を迎えるに至ったと証言している。
この状況が国際的な人権基準を満たしていないことは明白である。3月末、国連人権理事会の特別報告者と恣意的拘禁作業部会は、日本政府の入管政策を厳しく指弾した。日本政府の人権に配慮する意識が著しく低いことが国際的な批判を浴びたのであった。「姉は大好きな国で亡くなった。姉のビデオと最終報告書を見せてほしい」とウィシュマさんの二人の妹は涙ながらに訴えたが、入管側は「調査中」を繰り返すのみである。母親のスリヤラタさんも「娘は動物でなく人間だ。入管はなぜ『点滴して』と言ったのにしなかったのか。原因が知りたい。警察に捜査してほしい」と訴えている。
2019年のデータでは、日本国内で難民申請を行った外国人は1万375人に上ったが、実際に認められた事例はわずか44人で、認定率は0.4%に過ぎない。同年のOECD諸国の難民認定率が10%を軽く超えていることと比べると圧倒的に低い。日本政府は安上がり労働力としてしか外国人を受け入れておらず、外国からの移住者の人権を尊重する制度と思想が根本的に欠如している。そして、そのことが国内でよく認識されていない。
入管庁の権限を強化するための法改正に対する反対運動が広がり、とりわけ若者が立ち上がって声を挙げ、廃案に追い込んだ。若者を鼓舞した人権意識の高まりが社会に勇気を与えるものとなった。私たちは、これまでの外国人に冷たい受け入れ制度を根本的に改め、真に人権を尊重した出入国管理政策へと転換するよう日本国政府に強く求めたい。
PDFアピール文→ 147j.pdf
武者小路公秀委員の辞任のお知らせ
2004年から世界平和アピール七人委員会のために多大の貢献を続けられた武者小路公秀委員は病気のため2021年3月13日に辞任されました。ご回復をお祈りします。
アピール「今夏の東京オリンピック・パラリンピックは開催すべきでない」を発表
2021 146J 今夏の東京オリンピック・パラリンピックは開催すべきでない
2021年4月20日改定
世界平和アピール七人委員会
大石芳野 小沼通二 池内了 池辺晋一郎 髙村薫 島薗進
開会式まで100日以内になり、オリンピック・パラリンピックの日本代表選手全員の最終的な決定をすべき時期となり、聖火リレーも始まった。ところが代表選考ができていない種目では、代表を過去の成績で決めるという異例のことが起きている。聖火リレーでは公道でない場所で関係者だけで形ばかりを行ったことにする府県が出始めている。
これは、新型コロナウイルス感染症COVID-19とその変異種の感染まん延が急速に広がっているためである。政府は、「まん延防止等重点措置」を次々に指定しているが、感染拡大に歯止めがかかっていない。政府が委嘱した専門家が科学的データに基づいて第4波到来とみているのに、政府は科学の軽視・無視を繰り返している。ワクチン接種は遅れていて、変異種に対する効果も解明中で結論に達していない。検査体制も広げられないままである。
国内の医療体制は、すでに限界を超えた地域がではじめており、必要不可欠な病床・医療関係者の確保もできていない。世界の感染状況を見ても、ワクチン接種は進んでいるものの、依然として各地で感染拡大が続いていて収束に向かっていない。
1万5000人という選手、その他審判、役員、スポンサーが世界の感染まん延地からまん延状態が急速に拡大している日本に集まり、非常に多くの大会ボランティアを動員する渦中において、市民と接触させないでオリンピック・パラリンピックを安全に行える実効案は何ら示されていない。オリンピックを開催するとすれば多くの医療関係の人員や資源をさかなくてはならないが、それが国内の医療従事者のいっそうの過重負担を招くことは明らかである。そうなれば人命を犠牲にした開催となる可能性が十分にあるが、それは言うまでもなく平和の祭典であるはずのオリンピック・パラリンピック開催の趣旨に合致しない。
リスクが否定できない以上、安全の側にたって、今夏の東京オリンピック・パラリンピックを行わないという決定を速やかに下すのが当然である。
PDFアピール文→ 146j.pdf
今月のことばにNo.55「ミャンマー総選挙における選挙監視」を掲載
2021 145J ミャンマーのクーデタ―に抗議し、原状回復・民主化促進を求める
このアピールには英文版があります。
→ 英文アピールはこちら
2021年2月8日 9日改定
世界平和アピール七人委員会
武者小路公秀 大石芳野 小沼通二 池内了 池辺晋一郎 髙村薫 島薗進
ミャンマー国軍は、2月1日朝 アウンサンスーチー国家顧問、ウィンミン大統領らを拘束し、国家権力を掌握したと宣言した。この日は、2020年11月の総選挙で、スーチー氏らが1988年に結成した国民民主同盟(NLD)が大勝し、国軍系の連邦団結発展党(USDP)が大敗したあと初めての国会の召集日だった。
選挙監視団を派遣した日本政府による選挙翌日の発表では「監視団が得た情報,また,活動中に情報交換した他国の選挙監視団の評価の範囲においては,今次選挙活動,投開票のいずれについても,概ね平和裡に行われたといえる。」さらに「今次選挙には国内外より合計12,000名以上の選挙監視要員が登録され,各投票所には各政党からも監視要員が派遣されており,幅広い関係者により透明性が確保された選挙であった」とされている。
それにもかかわらず、国軍とUSDPは選挙に不正があったとして繰り返し調査を求めた。選挙管理委員会はこの申し立てを却下した。
私たちは、ミャンマー国軍が選挙結果を認めずに大統領、国家顧問たちを拘束し、報道の自由を否定し、報道規制を強化していることを認めることができない。
1 ミャンマー国軍が、すべての拘束者を直ちに無条件で釈放することを求める。
2 ミャンマー国軍は、すべての報道規制を撤廃し、報道の自由を保障すべきである。
3 日本政府は、ミャンマー国軍にミャンマー総選挙結果の尊重と原状回復を求め、ミャンマーの民主化促進に向けて最大限の努力をすべきである。
4 経済支援を進めてきた日本の企業は国軍系の企業と提携している場合、提携先を変更して民主化に貢献すべきである。
選挙監視団を派遣した日本政府による選挙翌日の発表では「監視団が得た情報,また,活動中に情報交換した他国の選挙監視団の評価の範囲においては,今次選挙活動,投開票のいずれについても,概ね平和裡に行われたといえる。」さらに「今次選挙には国内外より合計12,000名以上の選挙監視要員が登録され,各投票所には各政党からも監視要員が派遣されており,幅広い関係者により透明性が確保された選挙であった」とされた。
それにもかかわらず、国軍とUSDPは選挙に不正があったとして繰り返し調査を求めた。選挙管理委員会はこの申し立てを却下した。
↑
国軍とUSDPは選挙に不正があったとして調査を求めたが、選挙管理委員会は国軍の申し立てを却下した。海外の選挙監視団体も選挙がおおむね公正だったと評価したと報じられている
PDFアピール文→ 145j.pdf
アピール「ミャンマーのクーデタ―に抗議し、原状回復・民主化促進を求める」を発表
アピール「核兵器禁止条約への日本政府の対応の根本的転換を求める」を発表
「核兵器禁止条約への日本政府の対応の根本的転換を求める」と題するアピールを発表しました。