世界平和アピール七人委員会は、昨年11月、「重大な岐路に立つ日本」と題する講演とパネル討論の会を開きましたが、この会を中心に編集した本、「重大な岐路に立つ日本ー今、私たちは何をしたらいいのか」が、このほど、あけび書房から発行されました。日本図書館協会選定図書になるなど、好評です。
七人委員会としては久しぶりの出版で、池辺晋一郎、髙村薫、池内了の3委員の講演と、他の委員を含めた議論が紹介されているほか、最近のアピールなども収められています。(目次参照) 「なぜ音楽家が政治の話をするのか」(池辺委員)とか、「言葉こそ重大な岐路に立っている」(髙村委員)、「科学者の軍事協力が当たり前になってしまいかねない状況にある」(池内委員)など、今の日本社会を考え、私たちが生活していく上で、非常に重要で、興味深い問題指摘がされています。後半のパネル討論も新鮮です。
良心的な出版社の努力で、1400円+税、と安価で読みやすい本になりました。 ぜひ手にとってご覧いただき、ご購読をお願いします。
もくじ
まえがき
世界平和アピール七人委員会の紹介
第Ⅰ部●問題提起
今を生きる者として ―― この時代をどう見て、何をしたらいいのか
主張する音楽――音楽家の僕がなぜ政治にかかわるのか ……池辺 晋一郎
言葉の伝わり方――言葉こそ重大な岐路に立っている …… 髙村 薫
戦争への科学者の動員が始まっている!
――軍学共同の動きと日本の未来 …… 池内 了
第Ⅱ部●パネルディスカッション
重大な岐路に立つ日本 ―― 日本の進むべき道を考える
池内 了/池辺晋一郎/大石芳野/小沼通二/
髙村 薫/土山秀夫/武者小路公秀/高原孝生
資料編●世界平和アピール七人委員会の最近のアピール
あとがき
本書「まえがき」より
2014年には、東京の明治学院大学国際平和研究所と共催して、11月4日に同大学白金キャンパスで「重大な岐路に立つ日本」をテーマにした講演会を開きました。これは本書6ページに紹介した最近の七人委員会のアピールのリストからもご覧いただけるように、政府が憲法順守の義務を無視して日本国憲法の平和理念を否定している動き、広範囲の国民が反対する特定秘密保護法、沖縄の総意を無視する名護市辺野古への基地移転計画、条件が整わないままでの原発再稼働問題などの現在の日本の状況に、私たちが深刻な危機感を持っているためです。
チラシ→ 20150423book.pdf