1960 上代・植村両委員「アイゼンハワー大統領の訪日は望ましくない」とアメリカの友人たちヘアビール(要旨)

1960年6月9日

◇米国の友だちに寄せる

 自民党が新安保を承認したやり方に対して新安保に反対でない人たちさえ”不名誉なできごと”として腹を立てている。六月四日には大規模なストライキが行われたが混乱は起きなかった。世論がストをやった労働者側に同調していることを示すものだろう。しかしこの平静さがこの先もつづく保証はない。率直にいって、政府の異常なやり方は、政府が新安保をア大統領歓迎の花束がわりに便おうとしているのだという印象を一般にひろめている。ア大統領の時宜を得ない来日が内政干渉と誤解され、特別な行政措置が避けられないようになるとしたら、日米両国民の将来の関係に好ましくない影響を与える。私たちはこの現状を心配しているが、あなたも同じ気持ちで両国の親善につくして下さるようお願いする。

(1960年6月9日付産経新聞)