事務局から

「事務局通信」 No.3 2009/11/12

2014年1月15日

◎対話集会、講演会への反響続々

名古屋での対話集会、講演会と一連の個別講演が無事終了しました。

講演会に参加してくださった方々から、感想などが寄せられています。その中のひとつ、環境運動をされている曽我部行子さんから寄せられたメッセージを紹介します。講演会の内容詳報は、中日新聞(2009年11月11日付)に掲載されています。

一方、委員会では、13日のオバマ大統領の来日に向けて、以前から討議が続いていた「オバマ大統領へのアピール」について、メールなどで討議が続いています。

◎決意伝わった講演会

武者小路さま、みなさま  昨夜は、世界平和アピール七人委員会 講演会を聴くことができ幸いでした。七人委員会が、実のところ、どういう活動をされているかなど知らずに参加し、これまでの数々の講演会というものへの失望から多くを期待していませんでした。しかしながら、聴いた後でたいへん強い感慨を持ちました。

それは、日本にも自らの所信に従い、言うべきことを周辺の空気を見ながらでなく述べる知識人がいらっしゃるのだということでした。核について述べるのに、奥歯に物を挟んだまま話せば意味がわからなくなるということもありましょうが、何より、今だからこそ世論を動かさないといけないのだという決意と思いがしっかり伝わってきました。

▼衝撃的だった土山委員の講演

冒頭での、土山秀夫さんの話は、とりわけ衝撃的でした。

世界で唯一の被爆国である日本なのに、核が好きだと海外に示す勢力がいるという事実です。アンケートをとると90%以上の国民が核は不要と答えるのに、政府がまったく違った方向を向いているというのは、異常というしかありません。なぜこんなに捩れてしまうのでしょうか。そして、未だにその捩れは直せないままです。

民主党政権とオバマ大統領在任の間になせねばならいことの筆頭が、核廃絶への布石なのだということ理解できました。

武者小路さんから、非核宣言都市をすることで核を持ち込ませないことができることを教えていただき、ときどき唐突に役所の前に立っている看板が、決してただの看板でないことがわかりました。さらに、「無防備地域(非武装)宣言」というものがあり、池田香代子さんはその活動を薦めているとおっしゃいました。沖縄にそれができないことは、残念です。

池内了さんの物理学の講義(!)は、壮大な宇宙の銀河からかろうじて残った100億分の1の物質がわたしたちの身体と生命となったことを示して、生物多様性の根源が宇宙から始まった歴史であると知りました。わたしたちは、銀河の始まりを背負っているのですね。

▼「核の傘」は恥ずべきこと

大石芳野さんは、明日といわず、今日今からできる核廃絶の道として「考えること。深く考えて流されないこと。」と。まったく同感です。

大石さんの撮られた枯葉剤被害の障害者のベトナムの人たちの写真を見た若い人から「支援は届いていますか」の質問がありました。彼女にとって、それはいたたまれない衝撃だったのでしょう。アメリカの科学者が未だに枯葉剤の被害を認めず、「風土病」だといい続けていることに驚きました。ベトナム帰還兵には補償をしても、ベトナム政府の補償請求には一切応じていないこともさらなる驚きです。

核の傘で守られようとする発想は、人としてそれほど恥ずべき愚かな格好の悪いことはない、と断言できます。

平和憲法が作られたすぐ後から、戦争をしたい勢力が今も日本にいることを嫌でも認めるしかありません。わたしたちは、世界の核廃絶を言う前に、日本の核容認勢力と闘わなければならないのです。そのことが、何より気の重いことです。

生物多様性(生命の多様性!)に対して真っ向から逆行する核に対して、どういうふるまいをしていくべきかを考えざるを得ません。

今後は、七人委員会が核の平和利用=原発についても意見を言うべきかも知れない、ということに期待をしております。

七人の委員の方全員に、日本の良心を代表する方たちとしてお礼を述べたいと思い、代わりに感想を寄せさせていただきました。

ありがとうございました。

(曽我部行子)

「事務局通信」 No.2 2009/10/17

2009年10月17日

▼名古屋講演会の内容固まる

恒例になった「世界平和アピール七人委員会・11月講演会」の内容が固まりました。

この委員会は1955年11月、下中彌三郎、湯川秀樹、平塚らいてうの各氏らによって設立されましたが、2004年以来、毎年、各地で講演会を開いてきました。2009年には、米国のオバマ政権発足後、大きな動きになっている核廃絶の動きを踏まえ、2010年の生物多様性条約締結国会議の名古屋開催を前に、これらのテーマを中心にして、中日新聞社、名古屋青年会議所などの協力で、名古屋で開催することになりました。

テーマは「核と命を考える」。2009年11月7日(土)18時30分―21時。会場は、名古屋市中区栄の名古屋商工会議所大会議室(500人収容)。委員全員が出席して、「平和」と「いのち」を訴えます。入場は無料。聴講希望者は往復はがきで、〒460-0008名古屋市中区栄1-15-24名古屋JC会館「世界平和アピール七人委員会講演会」係あて、10月20日までに申し込んでください。

各委員の講演は次の通りです。

・もし核武装したら(仮) 井上 ひさし
・日本の核政策への注文と期待 土山 秀夫
・七人委員会と核のない世界 小沼 通二
・いのちの多様性 武者小路 公秀
・いのちに敵対するもの 池田 香代子
 DVD「Overkilled」橋本公作品の映写も含む
・いのちを問う~枯れ葉作戦が遺したもの 大石 芳野
・宇宙・地球・生命 池内 了

なお、これに各委員が出席する関連企画計画されており、講演会前後に名古屋周辺で開かれます。

チラシ→20091107.pdf

「事務局通信」 No.1 2009/9/14

2009年9月14日

事務局通信を始めます
50年余の歴史を数える「世界平和アピール七人委員会」ですが、世の中のテンポが速くなり、委員の皆さんの活動も多彩で、みんな忙しくなりました。
なかなか見えないその活動を、広く知っていただくために、事務局がお手伝いし、ご案内をお送りすることにしました。事務局も手弁当での活動で、十分なご案内はできませんが、七人委員会と委員の活動を生かすために、参考にしてください。

・2009年を核廃絶の年に
アピールへの共感広がる
世界平和アピール七人委員会は、8月7日、通算98本目になるアピール「核兵器廃絶実現への日本の具体的行動を呼びかけるアピール」を発表しました。
この4月、オバマ米大統領は米国の最高指導者として初めて「核兵器を使用したことがある唯一の核保有国として、行動する道義的責任」を認め、「核兵器のない世界の平和と安全を追求する決意」を表明しました。

そこで求められているのは、被爆国・日本の積極姿勢です。
アピールでは、今年秋に予定されている米国政府の「核兵器態勢の見直し」(Nuclear Posture Review)に向けて、日本政府が「戦術核の一方的な削減・廃棄を進めるべきではない」とか「核兵器の先制不使用を米国が約束することは、日本の安全にとって望ましくない」とか主張していることへの異論を表明しました。
「核廃絶」は「核の傘」と「核抑止」を前提にしては成り立ちません。ぜひアピールをお読み下さい。
→ https://worldpeace7.jp/modules/pico/index.php?content_id=28

・「土山インタビュー」をお読み下さい
今年の8月、広島と長崎の原爆忌では、オバマ演説を受けながら、「核廃絶」を求める平和宣言が読み上げられました。
七人委員会の委員の一人、土山秀夫さんは、医学生として原爆を体験しました。その貴重な証言がインターネットの「日経ビジネス」に掲載されました。作曲家で指揮者の伊東乾さんの「常識の源流探訪」というコラムに掲載されたもので、伊東さんによるインタビューです。
ぜひ、ご覧下さい。
「医学生として原子野で見た長崎」
→ http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090810/202138/?P=1

「『東アジア非核圏』のEUにも勝る経済可能性」
→ http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090817/202599/?P=1

「緩やかに弧を描いて並んだ医学生たちの遺骨」
→ http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090820/202961/

・池田さんがすてきなブログを始めました
七人委員会の委員、池田香代子さんが「感じた、動いた、考えた 池田香代子のブログ」を開設しました。
→ http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/
池田さんはご存じ、「ソフィーの世界」、ケストナー、グリム兄弟などの翻訳、「世界がもし100人の村だったら」シリーズで知られる翻訳家。「できるだけ毎日更新」とのことで、7月始めに開設、時事問題はもちろん、マイケルジャクソンから、酒井法子さんの話、タヒチの「友人」(?)の話まで、幅広い楽しいブログになっています。
ぜひ「お気に入り」に登録を!

・2009年の11月講演会は名古屋を中心に…
世界平和アピール七人委員会は、1955年11月11日の発足を記念して、新体制で活動を再開した2004年以来、毎年11月に講演会を開催してきました。
今年は、11月7日(土)の午後6時30分から名古屋商工会議所大会議室で、七人委員会・名古屋青年会議所・中日新聞社主催の講演会を開きます。併せて、それぞれの委員が出席する関連講演会が6日(金)から9日(月)にかけて開かれる予定です。詳細が決まりましたらまたお知らせします。ぜひご参加ください。