1956 スエズ・ハンガリー問題に対し三つのアピール(要旨)

1956年11月22日

一、英・仏のエジプトに対する武力発動に抗議し撒兵を訴える。

◇イーデン英首相、モレ仏首相に対する勧告
 貴国がわれわれの勧告を無視してエジプト領内に武力発動した行為は遺憾です。この際、貴下の良識ある決意をもって世界平和秩序に寄与されんため速やかに撒兵の実をあげるよう切望します。

二、ソ連のハンガリーに対する武力行使に抗議し撒兵を訴える。

◇ブルガーニン首相に対する勧告
 われわれの勧告を無視し、国連の議をまたずしてあえて武力手段に訴えた英・仏の態度も遺憾ですが、貴国のハンガリーへの行動は人道と平和の原則に照らして決して許容さるべきことではないと思います。この際貴下の良識ある決意をもって速やかにハンガリーより撒兵を宣言し、国連総会の決議にしたがうの原則を堅持されんことを切望します。

三、国連の紛争解決機能の欠陥を指摘し、平和的解決を訴える。

◇ワンワイタヤコーン国連総会議長とハマーショルド事務総長に対する勧告
 今回の紛争を事前に避けられなかったのは国連組織の機能の上に欠陥があり、今後あくまで平和的解決の原則をつらぬいて欲しい。

(1956年11月22日付毎日新聞)