1966 37J フランスの核実験に反対するアピール

1966年6月25日

 貴国はいま、南太平洋のムルロア環礁で、一連の核実験をおこなう準備を、着々とすすめているといわれております。私どもは、貴国に対し、ぜひともこれを思いとどまるよう、強く要望せざるをえません。

 それは、やがて降りそそぐ「死の灰」が、子孫にあたえる恐るべき害毒のためでもありますが、それだけではありません。核実験の強行が、そうでなくても不安な現下の国際情勢に新しくかつ鋭い悪化の拍車をかけるからであり、また列強の核軍備競争に、強い刺激を加えるとともに、核拡散の危険を一層増大するからであります。

 貴国が核実験を強行した場合には、その行為は、目下再開中の国連軍縮委員会の努力に逆行するものとして、世界の眼に映るでありましょう。貴国は、国連安全保障理事会の常任理事国として、世界の平和と国際緊張の緩和のために、重大なしかも名誉ある責任をもつ国であります。ことに貴国は軍縮委員会の委員国にも選ばれており、核軍縮の推進を期待されている国であります。

 貴国が世界の平和のために核実験をやめ、すみやかに国連軍縮委員会に出席し、核の脅威なき世界の実現をめざすあらゆる努力を傾けられるよう、強く念願するものであります。

1966年6月25日

世界平和アピール七人委員会

シャルル・ドゴール仏大統領殿